断熱と遮熱、どう違う?住まいを一年中快適にするための使い分け徹底ガイド 公開日:2025年8月22日/更新日:2025年9月17日 監修者斎木 守 住宅省エネアドバイザー/第二種電気工事士/しろあり防除士 三重県出身。学生時代は長野県で農業・畜産を学び、地域のコミュニティ活動にも積極的に参加。寒さには人一倍敏感で、自身も松本市で築30年の木造住宅に暮らし、経験を踏まえて長野県の断熱性能向上を支援しています。YouTube「テオリアチャンネル」でも活躍中。新築・リフォームを含め、これまでに1,800棟以上の断熱工事に携わっています。 「断熱と遮熱の違い」、正しく理解できていますか? どちらも“住まいを快適にするために熱を防ぐ”という点では共通していますが、その仕組みや得意とする季節、発揮される効果は大きく異なります。断熱は外気と室内の熱の伝わりを遅らせ、冬の暖房効率や夏の冷房効率を高めるのが目的。一方、遮熱は太陽から届く強い日射熱を反射し、夏の室温上昇を防ぐのが得意分野です。 この記事では、断熱と遮熱の違いをわかりやすく整理し、どの部位にどの対策を優先すべきか、失敗を防ぐポイントとともに解説します。 目次 Toggle 1. 断熱と遮熱の違いをわかりやすく解説断熱とは遮熱とは熱の3要素と両者の関係断熱と遮熱の限界と補完性2.部位別・季節別で考える使い分け戦略断熱・遮熱の対策部位夏の暑さ対策:遮熱の方法冬の寒さ対策:断熱の重要性間違いやすい使い方:遮熱のみ/断熱のみのリスク3. セルロースファイバー+内窓×遮熱の“合わせ技”施工事例施工パターン概要Before/Afterの測定データお客様の体感コメント4. 実践的な施工手順と失敗回避のポイント着手前の現状把握工事の優先順位の立て方失敗しないための注意点5. 見積・費用目安と補助金情報部位別・施工内容別のモデル価格帯(目安)補助金制度の活用ポイント無料診断・現地調査のご案内 1. 断熱と遮熱の違いをわかりやすく解説 断熱とは 断熱は、熱の「伝導」と「対流」を抑える仕組みです。熱は温度の高い方から低い方へ移動しますが、断熱材はその移動スピードを遅らせる役割を持っています。 例えば、天井や壁の中に断熱材を充填すると、外気温の影響が室内に伝わるまでの時間を大幅に遅らせることができます。 断熱の目的・効果 夏 外から侵入した熱が室内に届く時間を遅らせ、冷房効率を高める 冬 室内の暖かい空気を外に逃がさず、暖房効率を高める 通年 温度変化が緩やかになるため、快適性と省エネ効果が両立できる 断熱は基本的に季節を問わず有効ですが、熱そのものを反射するわけではないため、夏場の直射日光による屋根や窓からの強い輻射熱には対応が弱いという特徴があります。 遮熱とは 遮熱は、太陽から届く「輻射熱(日射熱)」を反射・軽減する仕組みです。反射率の高い特殊なシートや塗料、Low-Eガラス(遮熱タイプ)などを使って、熱線が建物内部に届く前に跳ね返します。 遮熱の目的・効果 夏 屋根や外壁、窓から入る日射熱をカットし、室温の上昇を抑える 冬 基本的に日射熱も遮ってしまうため、場合によっては室内が暖まりにくくなる 特に有効な場面 南・西向きの大きな窓や屋根など、日射の影響を強く受ける場所 遮熱は夏季に強い効果を発揮しますが、冬季には日射熱の恩恵まで遮ってしまう可能性があるため、使う部位や条件を選ぶ必要があります。 熱の3要素と両者の関係 熱の移動には以下の3要素があります。 熱の移動要素 主な現象例 有効な対策 伝導 屋外の熱が壁や天井を通り室内を暖める 断熱材(セルロースファイバー、グラスウールなど) 対流 暖かい空気が上昇・冷たい空気が下降 気密化、断熱材、空気層の遮断 輻射 強い日差しが窓ガラスに当たり室内を暖める 遮熱シート、Low-Eガラス(遮熱タイプ)、外付けシェード 断熱は「伝導」と「対流」を、遮熱は「輻射」を主に抑えるものであり、役割が補完関係にあることがわかります。 断熱と遮熱の限界と補完性 断熱だけの場合:熱の伝わりは遅くなるが、夏の強い日射で屋根や窓が高温になると、その熱はじわじわ室内へ侵入してしまう。 遮熱だけの場合:夏の日射熱は防げるが、冬の暖房熱や日射熱まで遮断してしまい、室内が冷えやすくなる。 つまり、快適な住環境を一年中維持するには、夏は遮熱で日射熱を抑え、断熱で室温変化を緩やかにするという組み合わせが最も効果的です。 この「断熱」と「遮熱」の違いを理解することは、リフォームや改修の優先順位を決めるうえで欠かせません。次の章では、季節別・部位別にどのように使い分けるべきか、さらに具体的に見ていきましょう。 2.部位別・季節別で考える使い分け戦略 断熱と遮熱の違いを理解したうえで、実際の住まいにどう活かすかは「部位」と「季節」で考えることが重要です。ここでは、夏・冬それぞれの対策と、誤った使い方によるリスクを解説します。 断熱・遮熱の対策部位 窓 窓は、住宅の中で最も熱の出入りが大きい部位です。そのため断熱・遮熱の両面で対策を行うことが重要で、冬の暖房効率や夏の冷房効率に直結します。内窓やLow-E複層ガラス、シェードや遮熱フィルムなど、手法の選択肢も多く、最優先で取り組むべきポイントといえます。 外壁 壁は、建物全体の面積が大きいため、断熱施工による効果が安定して得られる部位です。断熱材を適切に施工することで、季節を問わず快適性が向上します。また遮熱に関しては、特に西日の強い外壁に対策をするなど、部分的な工夫も有効です。 屋根 屋根は、夏場に直射日光を最も受ける部分であり、屋根裏の温度上昇を左右します。そのため遮熱対策が特に重要になります。一方で冬場は断熱性が不足すると暖気が逃げやすくなるため、断熱材を組み合わせることで一年を通じて快適性を高められます。 夏の暑さ対策:遮熱の方法 夏の室温上昇の主な原因は、太陽光からの輻射熱です。特に、窓・外壁・屋根は日射を直接受けやすく、室温を一気に押し上げる要因となります。 代表的な遮熱対策と特徴 遮熱フィルム(窓内側) 引用元:3Mジャパン様 窓ガラスの室内側に貼ることで日差しによる温度上昇を軽減。ガラス飛散防止などの機能も。 メリット 室内の明るさを保ちながら日射熱を反射できる 紫外線カットで家具や床材の日焼け防止効果 比較的安価(DIY可) デメリット 夜間は外から室内が見えやすくなる場合あり サッシ交換や内窓に比べると遮熱効果は中程度 DIYでは仕上がりにムラができ効果が十分発揮されないこともある 注意点 賃貸や管理規約で貼付禁止の場合がある 品質や性能は商品差が大きいため、遮熱率・透過率の数値確認が必須 すだれ/シェード/オーニング(窓外側) 引用元:YKK AP様(シェード) 窓ガラスに到達する前に日射を遮断。内側カーテンより効果が高い。 メリット 「ガラスに日射を当てない」ため遮熱効果が高い 設置・撤去が容易(すだれ等は低コスト) デザイン性が高いオーニングなら外観演出も可能 デメリット 風でバタついたり、台風時の取り外しが必要 オーニングは本体・施工費がやや高額 冬は太陽光も遮るため、取り外しや収納が必要 注意点 耐久性(紫外線で劣化しやすい布素材など)を考慮 強風エリアや雪の多い地域では固定方法に注意 遮熱シート(屋根・外壁内側) 引用元:株式会社ライフテック様 高反射アルミ層で日射を反射。施工時は通気層の確保が必須。 メリット 輻射熱を反射し、天井裏温度を大幅に低減できる 断熱材と組み合わせることで効果増大 後付けリフォームが比較的容易 デメリット 施工精度が低いと隙間から熱が侵入 湿気処理を誤ると結露やカビの原因になる 注意点 屋根裏の換気・通気経路を確保することが必須 アルミ面の劣化や汚れで反射率が低下するため、定期点検が望ましい 遮熱塗料(屋根・外壁表面) 表面温度を下げ、輻射熱の発生を抑制。色によって反射率が変わる。 メリット 既存屋根・外壁の塗り替えと同時に導入できる 表面温度を10~15℃程度下げられる事例あり 耐久性が高い商品も多い デメリット 塗装直後は効果が高いが、年数とともに低下 効果は屋根裏や2階中心、1階への効果は限定的 注意点 色の選択が重要(白や淡色ほど遮熱性は高いが汚れやすい) 塗膜の耐久性・保証内容を施工業者に確認 ポイント:遮熱は「外側で止める」が鉄則。室内側で防ぐよりも、外部で熱を跳ね返すほうが効果は大きくなります。 冬の寒さ対策:断熱の重要性 冬は外の冷気を遮断し、室内の暖かい空気を逃がさないことが最優先です。そのためには、断熱性能と気密性の両方を高める必要があります。 代表的な断熱対策と特徴 内窓設置(二重サッシ) 窓際の冷気を遮断し、結露も軽減。Low-E断熱ガラスを選べばさらに保温効果が高まります。 メリット 既存窓の内側に取り付けるだけで施工が容易(1窓あたり30分~1時間) 断熱・遮音・結露防止の効果が大きい 省エネ補助金の対象になりやすい(窓リノベ事業など) コストに対して効果が高い(費用対効果◎) デメリット サッシが二重になるため、開閉の手間が増える 出入りの多い窓や掃き出し窓ではやや不便に感じる場合がある 既存窓が劣化している場合は十分な気密性が確保できないことも 注意点 南面は「断熱タイプ」、西・東面は「遮熱タイプ」など方角でガラス仕様を選ぶと効果的 網戸が内側にある窓は施工方法に制約あり 木造住宅の場合、窓枠の納まりや段差に注意 ▶内窓設置について詳しくはこちら ガラス交換 ガラスのみ交換する方法。費用を抑えて断熱性を改善できますが、サッシの性能が低いと効果は限定的。 メリット 既存サッシを活かし、コストを抑えつつ断熱性を改善できる 内窓より開閉の手間が増えない 結露軽減・遮熱機能付きタイプも選べる デメリット サッシがアルミのままだとフレーム部分からの熱損失は大きく残る ガラス交換だけでは断熱効果は内窓に劣る サッシ形状によってはガラス交換ができない場合がある 注意点 「ガラスのみ交換可能」かどうかはサッシ枠の仕様に依存(古いサッシだと不可のケースあり) Low-Eガラスは方角ごとに遮熱タイプ/断熱タイプを選ぶ必要あり 床への断熱材施工 冬の足元の冷えを軽減。非破壊で施工可能な場合も。湿気やシロアリ対策と併せて考える必要があります。 メリット 冬の足元の冷えを大幅に改善できる 既存住宅でも床下のスペースが確保できれば床を剥がさずに施工が可能 デメリット 床を剥がす工法では工期・費用が増える 注意点 床下の湿気・カビ・シロアリ対策とセットで考える必要あり 配管や配線を避ける施工精度が重要 天井への断熱材施工 冬は暖気を逃しにくくし、夏は屋根裏からの熱を遮ります。施工しやすく費用対効果が高い方法です。 メリット 冬に暖気が逃げにくくなり、夏は屋根裏からの熱気を防ぐ 比較的安価かつ施工しやすい(天井裏に吹込み・敷き込み) デメリット 点検口がないと施工が難しい 断熱材の厚み確保に制限がある場合も 注意点 天井裏の換気を妨げないようにすること 隙間があると「気流止め」が効かず効果半減 壁への断熱材施工 効果は大きいが工事規模も大きく、コストが高め。外張りや吹込みなど工法選択が重要です。 メリット 外気に最も触れる面積が大きいため、断熱効果が安定して高い 外張り断熱にすれば熱橋が少なく、室温が安定しやすい デメリット 既存住宅への後施工は工事規模が大きく、コストも高い 吹込み断熱は壁内の下地や電気配線の影響を受けやすい 注意点 断熱と同時に気密性を高めないと効果が薄れる 外張り断熱では外壁の仕上げ直しが必要 吹込み断熱は施工業者の技術差が出やすい ▶断熱材選び方についてはこちら ▼その他の断熱方法についてはこちら 断熱とは?快適な住まいづくりのための実践ポイント 気密性との関係 気密性が低いと、せっかくの断熱材も効果半減。暖気がすき間から逃げ、冷気が入り込みます。気密施工と断熱施工を同時に行うことで、暖房効率が大幅に向上し、光熱費削減につながります。 間違いやすい使い方:遮熱のみ/断熱のみのリスク 遮熱や断熱は万能ではなく、使い方を間違えると逆効果になることがあります。 よくある失敗例 ①遮熱フィルムの冬のデメリット 夏は日射熱を抑えられる一方、冬は室内に取り込みたい太陽熱も遮断してしまいます。南面の窓で強い遮熱タイプを選ぶと、晴天でも暖まりにくくなることがあります。 ②断熱材施工だけで夏対策を期待 断熱材は熱伝導や対流を抑えるものの、強い直射日光による輻射熱までは十分に防げません。結果として「断熱材を入れたのに部屋が暑い」というケースが起こります。 対策のポイント 夏と冬で効果のバランスを取り、部位ごとに最適な組み合わせを選ぶ 遮熱は夏用の限定施工で、窓の外にシェードを設置。断熱は通年効果を狙い、窓・天井・床に断熱材を施工といった考え方が有効 このように、遮熱と断熱は季節・部位ごとに役割を分けて組み合わせることが大切です。次の章では、両者を効果的に組み合わせた施工事例をご紹介します。 3. セルロースファイバー+内窓×遮熱の“合わせ技”施工事例 断熱と遮熱はそれぞれ単独でも効果がありますが、実際の現場では組み合わせてこそ最大の効果を発揮します。ここでは、弊社で取り扱っている断熱材「セルロースファイバー」を中心に、夏と冬の両方に効果が出た実例をご紹介します。 施工パターン概要 天井断熱:セルロースファイバー吹込み(厚さ200mm相当) → 屋根裏からの熱侵入を遅らせ、冬は室内の暖気を保持。 窓断熱:南面の大開口窓にLow-E断熱タイプの内窓を設置 → 冬の冷気侵入を大幅にカットし、結露を抑制。 外付けシェード:南面の大開口窓に外付けシェードを設置 →夏季の直射日光による室内温度上昇を防止。 ▶セルロースファイバーとは Before/Afterの測定データ 測定条件 Before After 改善効果 夏・2階天井表面温度(外気30℃) 31.1℃ 25.3℃ −5.8℃ 夏・エアコン設定温度 25℃ 27℃ 冷房負荷軽減 お客様の体感コメント 施工前(夏):「温度ムラがあり、部屋の場所によって暑いと感じることがありました。」 施工後(夏):「部屋全体の温度が統一されたのか、部屋のどこにいても快適に感じます。2階に上がったときのモワッとした暑さによる不快感が軽減されました。」 施工前(冬):「とにかく窓の近くに行くと冷気でとても寒かったです。」 施工後(冬):「全然違う!!今まであれだけ寒かった窓の近くに行っても寒さを感じなくなりました。もっと早く二重窓にすればよかったです。」 このように、部位ごとの役割を理解し、断熱と遮熱を組み合わせることで、一年を通じて快適な住まいを実現できます。特にセルロースファイバーと内窓は既存住宅でも施工しやすく、非破壊なので引っ越し費用等の負担が少なくおすすめです。次の章では、こうした材料や工法を比較し、最適な選び方を解説します。 4. 実践的な施工手順と失敗回避のポイント 断熱や遮熱の効果を最大限に引き出すには、やみくもに工事を始めるのではなく、現状を正確に把握し、優先順位を決めて計画的に進めることが重要です。この章では、プロが実際に行う診断手順と、工事の優先順位、そしてよくある失敗を防ぐための注意点を解説します。 着手前の現状把握 なぜ現状把握が重要か 施工前の状態を把握することで無駄な施工や過剰投資を避けられます。「断熱材は入っているから大丈夫」と思っていても、経年劣化により断熱材が落ちていたり、施工不良により隙間が生じている場合もあります。 チェックするポイント 天井・壁・床の断熱材の有無や劣化状況 窓の断熱性能(単板/複層/アルミサッシ等)の確認 工事の優先順位の立て方 断熱・遮熱改修は、費用や工期、体感効果を考慮して段階的に進めるのが効率的です。夏の暑さ対策を重視したいのか、冬の寒さ対策を重視したいのかによってリフォームの優先順位は変わってきます。ここでは、弊社が提供できる工事に絞ってご案内いたします。 夏の暑さ対策を重視したリフォーム優先順位 内窓設置による気密・断熱 夏の開口部からの熱侵入率は71%。熱侵入を抑え、気密性向上により冷房効率も改善。 天井裏にセルロースファイバーを吹込み 夏の天井裏は60℃になることも。非破壊工法で住みながら工事可能で、熱侵入を防ぎます。 床下にセルロースファイバーを吹込み 熱侵入率は低いものの、非破壊で工事ができる。 壁にセルロースファイバーを吹込み 熱侵入率は13%。壁を壊す必要がありコストがかかる・工期長めのため、最後のステップで検討。 ポイント:窓と天井の改修だけでも体感は大きく変わるため、予算に限りがある場合はこの2つを優先すると良い結果が得られます。 冬の寒さ対策を重視したリフォーム優先順位 内窓設置 冬の開口部からの熱損失率は48%。窓辺の寒さを軽減させ、結露も防止できます。 床下にセルロースファイバーを吹込み 床は直接体に触れるため寒さを感じやすい場所。底冷えが改善し快適性アップ。 天井裏にセルロースファイバーを吹込み 暖かい空気は上昇するため、断熱材で蓋をすることで暖房効率が改善。 壁にセルロースファイバーを吹込み 熱損失率は19%。壁を壊す必要がありコストがかかる・工期長めのため、最後のステップで検討。 ポイント:窓と床の改修だけでも体感は大きく変わるため、予算に限りがある場合はこの2つを優先すると良い結果が得られます。 失敗しないための注意点 断熱・遮熱の施工には「やってみたけど効果が薄い」「逆効果になった」という事例も少なくありません。以下の失敗例と解決策を参考にしてください。 失敗例1:遮熱だけで冬が寒くなったケース 原因:南面窓に強い遮熱フィルムを施工し、冬の日射熱まで遮断。 解決策:南面は断熱タイプのLow-Eガラスや内窓を採用し、外付けシェードで遮熱する。冬は日射を活かすことができる。 失敗例2:壁内対流で断熱材の効果が半減 原因:断熱材は入れたが、壁体内で空気が動く。 解決策:袋入り断熱材や気密テープを使って、気流止めをする。 こうした診断・優先順位付け・失敗回避策を踏まえて施工することで、費用対効果を最大化し、一年中快適な室内環境を維持できるようになります。 次の章では、見積の目安や補助金制度の活用方法について解説します。 5. 見積・費用目安と補助金情報 断熱リフォームの費用は、部位や施工内容によって大きく異なります。ここでは、弊社が提供できる工事に絞ってモデル価格帯と、補助金制度を上手に活用するためのポイントをご紹介します。 部位別・施工内容別のモデル価格帯(目安) 施工内容 施工面積・数量 価格帯(税別) 備考 内窓設置(Low-E断熱タイプ) 掃き出し窓1枚(幅1.6m×高さ1.8m) 約10~15万円 断熱性能・ガラス仕様で変動 天井断熱(セルロースファイバー施工厚み200mm) 50㎡ 約25~30万円 小屋裏に入り非破壊施工 床下断熱(セルロースファイバー施工厚み145mm) 65㎡ 約65~75万円 床下に潜っての非破壊施工 ※あくまで参考価格です。現場条件・部材グレードなどによって変動します。 補助金制度の活用ポイント 断熱リフォームは、国や自治体の補助金制度の対象になることがあります。特に窓リフォームや天井断熱などは高い補助率が適用されるケースが多く、制度を使うか使わないかで実質負担額が大きく変わります。 代表的な制度(リフォーム) 国の制度 先進的窓リノベ事業:内窓・外窓・ガラス交換に高額補助(最大200万円) 子育てグリーン住宅支援事業:天井・壁・床断熱などの躯体の断熱改修と開口部の断熱改修が対象(最大60万円) 自治体独自制度 信州健康ゼロエネ住宅助成金(長野県):長野県独自の補助金制度 住まいのゼロカーボン推進補助金(松本市):松本市独自の補助金制度。国の制度と重複利用可能 ▼断熱リフォームの補助金についてはこちらも。 【大型補助金ラストイヤー】2025年断熱リフォームで活用できる補助金を完全解説!最大260万円支給も! 【松本市民限定】窓の断熱リフォームで国と市の”補助金ダブル活用”!「住まいのゼロカーボン推進補助金」 長野県で内窓設置を考えるなら知っておきたい!最新補助金制度と申請手順を解説 無料診断・現地調査のご案内 断熱リフォームは、建物の状態や生活スタイルに合った提案が重要です。 どこから熱が入ってきているのか、どの部分の断熱が不足しているのか——住んでいるだけではなかなか把握できません。そこで役立つのが、プロによる無料断熱診断です。 このサービスでは、以下のような項目をチェックします。 天井・壁・床の断熱材の有無や劣化状況 窓の断熱性能(単板/複層/アルミサッシ等)の確認 断熱リフォームの必要性とコストの目安 補助金を活用した費用の抑え方 無料での診断・相談のため、まずは「話だけ聞いてみたい」という方にも安心してご利用いただけます。 まずは、『無料の断熱診断』で、お家の断熱の状態を確認。お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なご提案をさせていただきます。 『無料の断熱診断』はこちらから:https://dannetsu-nagano.com/contact/ 執筆者 Ikeda 寒さは苦手な夏生まれ女子。断熱・シロアリ・エクステリアを勉強中。 自身も新築の際には、断熱性・防音性などに惚れ込み、断熱材「セルロースファイバー」を選択しました。 ふわふわかわいい「セルロースファイバー」の情報、寒い住宅の原因や対策などなど・・・体もお財布も温める情報を発信していきます!