築30年の家でもできる!断熱材のない家の防寒対策と実例 公開日:2025年5月29日/更新日:2025年5月29日 目次 Toggle 寒すぎる…断熱材がない家の冬のリアル築古住宅に多い“無断熱”の実態と寒さの原因そのまま放置すると起こるトラブル断熱材がない家で今すぐできる寒さ対策窓・隙間・床からの冷気をシャットアウト家具の配置や空間の使い方で冷気を防ぐDIYでは限界?断熱リフォームで寒さを根本解決DIYの限界と断熱性能の壁無理なくできる断熱リフォームの方法実際どう変わる?長野県の事例と断熱リフォームの効果「ここまで違う!」断熱改修のビフォーアフター快適な冬を叶える第一歩は「今の家を知ること」専門家による無料診断で住まいの状態をチェック 寒すぎる…断熱材がない家の冬のリアル 築古住宅に多い“無断熱”の実態と寒さの原因 「暖房をつけても全然暖かくならない」「足元がいつも冷たい」。そんな冬の悩みを抱えているご家庭の多くが、実は“断熱材が入っていない家”に住んでいます。 特に、1980年代(昭和55年)以前に建てられた木造住宅では、当時の建築基準により壁や天井、床に断熱材がまったく使われていない、あるいは性能の低い薄い断熱材しか入っていないケースが多く見られます。また、1992年(平成4年)の基準でも、断熱性能は低く、全体のおよそ87%が、低断熱・無断熱というのが実態です。 断熱材がない状態では、外の冷気がそのまま壁や床を通じて室内に伝わります。とくに寒冷地では、外気温が氷点下に下がる日が多く、断熱性能がゼロに近い家では、暖房しても熱が逃げてしまい室温が上がりません。 結果として、エアコンやストーブをつけても「頭は暑くて足元は寒い」といった不快な室内環境に陥ってしまいます。 また、断熱材がない家は「気流止め(きりゅうどめ)」もされていないことが多く、壁の内部を冷たい空気が自由に移動するため、局所的な冷え込みが起きやすいという特徴もあります。 このように、築年数が古い住宅での寒さは、設備の問題ではなく住宅構造そのものの問題である可能性が高いのです。 そのまま放置すると起こるトラブル 断熱性能が不足したまま冬を過ごすと、生活や健康にさまざまな悪影響を及ぼします。とくに以下の点には注意が必要です。 ● 結露とカビの発生 断熱が不十分な壁面や窓際では、室内と外気の温度差が大きくなり、表面に結露が発生しやすくなります。結露は放置するとカビの原因になり、健康被害(アレルギーや喘息)にもつながることがあります。 ● ヒートショックのリスク 家の中の温度差が激しい環境では、浴室やトイレなど寒い場所で急に体が冷やされ、血圧が急変することでヒートショックを引き起こすリスクが高まります。高齢者のいる家庭では特に注意が必要です。 ▶冬場に注意!ヒートショックの対策と注意が必要な場所 ● 暖房費の増加 室内の熱が外にどんどん逃げてしまうため、暖房機器を長時間使い続ける必要があり、光熱費がかさみます。毎月の電気代や灯油代が負担に感じる家庭も少なくありません。 ● 睡眠の質・生活の快適性が低下 冷えた寝室では寝つきが悪くなったり、夜中に寒さで目が覚めたりすることも。寒さが続くと、気分が沈んだり集中力が低下するなど、日常生活にも影響が及びます。 こうしたトラブルを「寒いから仕方ない」と我慢するのではなく、住宅の構造的な問題としてしっかりと見直すことが重要です。一時的な暖房や防寒グッズでは根本的な解決にはならないケースも多いため、必要に応じて住宅そのものの断熱性を高めるアプローチが求められます。 断熱材がない家で今すぐできる寒さ対策 「リフォームまでは難しいけれど、とにかく寒さをなんとかしたい」。そう感じている方に向けて、手軽に取り入れられる防寒テクニックをご紹介します。ちょっとした工夫でも体感温度は大きく変わります。 窓・隙間・床からの冷気をシャットアウト 家の中で最も冷気が侵入しやすいのが「窓まわり」と「床下まわり」です。特に窓ガラスは熱が逃げやすく、冬の室温低下の大きな原因になっています。以下のようなグッズを使えば、費用をかけずに寒さを緩和できます。 おすすめのDIY防寒アイテム 断熱カーテン・厚手のカーテン:窓からの冷気を遮断し、室内の暖かさを逃がさない。 プチプチ(気泡緩衝材)やプラダン:ガラス面に貼り付けることで、断熱効果をアップ。光は通しつつも冷気をカットできます。 断熱ボード(スタイロフォームなど):窓の下に立てかけるだけで、足元の冷気が大幅に軽減されます。 隙間テープ:窓やドアの枠の隙間に貼るだけで、冷たい風の侵入を抑えられます。 床用断熱マットやラグ:床からの冷えを防ぎ、足元の冷たさをやわらげます。 これらのアイテムはホームセンターや100円ショップでも手に入るため、手軽さとコストパフォーマンスの高さが魅力です。使い方もシンプルで、特別な道具や知識がなくても誰でもすぐに試せます。 家具の配置や空間の使い方で冷気を防ぐ 建物の断熱性能を今すぐ変えることはできませんが、家具の配置や空間の使い方によって冷気の流れをコントロールすることは可能です。 効果的なレイアウト・工夫の例 外壁に面した壁に本棚やタンスなどを配置すると、冷たい壁からの放射冷却を和らげられます。 窓際に背の高い棚やパーテーションを置くことで、冷気が室内に入り込むのを防げます。 ベッドの位置を窓から離す、または間仕切りを設置することで、冷気から遠ざけることができます。 また、小型の電気ヒーターやパネルヒーター、ホットカーペットなどを併用することで、局所的に快適な空間をつくることも可能です。 さらに、サーキュレーターを上向きに回して部屋全体に暖気を循環させると、天井付近に溜まった暖かい空気を下におろし、室温を均一に保ちやすくなります。 こうした対策は、断熱材を入れるような本格的なリフォームに比べれば簡易的ではありますが、正しく実践することで意外なほど快適性が向上します。まずはできることから始めて、寒さに負けない暮らしを目指しましょう。 ▶『家が寒い』原因と解消法を徹底解説 DIYでは限界?断熱リフォームで寒さを根本解決 DIYの限界と断熱性能の壁 DIYによる防寒対策は手軽に始められますが、「根本的な寒さの改善」には限界があります。 たとえば、窓に断熱シートを貼ったり、床にマットを敷くことで一時的には寒さを和らげることができます。しかし、建物全体が持つ「断熱性能」そのものが低い場合、どれだけ対処を繰り返しても部屋の温度がすぐに下がってしまう、暖房が効きにくいといった根本問題は解消できません。 特に次のようなケースでは、DIYではカバーしきれない可能性が高くなります。 家全体が常に寒い 暖房を止めるとすぐに室温が下がる 結露やカビが広範囲に発生している 光熱費が年々高くなっている これは、外壁・天井・床といった“建物の外皮”部分を通じて、家全体から熱が逃げてしまっている証拠です。この状態では、いくら局所的な工夫をしても、限界があるのです。 そこで選択肢に上がるのが、「断熱リフォーム」による根本改善です。 無理なくできる断熱リフォームの方法 「リフォーム」というと、大がかりな工事や高額な費用を想像されるかもしれません。しかし、最近では住みながらでも可能な、負担の少ない断熱リフォームの方法が普及しています。 代表的なのが、次の2つの方法です。 ■ 床下に断熱材を施工する「セルロースファイバー断熱」 既存住宅でも取り入れやすい断熱リフォームのひとつが、床下へのセルロースファイバー断熱材の施工です。床を剥がすような大掛かりな工事は不要で、工事の際には、床下点検口などから床下へ入り断熱材を吹き込むため、生活への影響が少なく、在宅のまま施工できるというメリットもあります。 セルロースファイバーは新聞紙などの古紙をリサイクルした天然素材由来で、断熱性だけでなく防音性・調湿性にも優れており、冬の底冷え対策に効果的です。夏の熱気を抑える働きもあり、一年を通じて快適な住環境が期待できます。▶セルロースファイバー断熱材の魅力とは? – 特徴・他断熱材との違い・施工事例 – 工期 1〜2日程度(施工範囲により変動) 費用目安 10〜100万円前後(床面積・施工内容による) 生活への影響 在宅施工可能。家具の移動程度で対応可 ■ 窓にもう一枚窓を設置する「内窓(二重窓)工事」 熱の出入りがもっとも激しい「窓」の断熱性能を高める方法です。既存の窓の内側にLow-E複層ガラス+樹脂サッシの内窓を取り付けることで、外気の影響を大幅にカットし、結露も防止できます。 工期 1〜2時間/窓1箇所あたり 費用目安 6〜17万円/窓(サイズや種類により異なる) 生活への影響 ほぼゼロ。在宅中でも短時間で完了 これらのリフォームは、国や自治体の補助金制度を活用すれば実質負担を大幅に抑えることも可能です。補助金については、2025年5月時点で「先進的窓リノベ2025」「子育てグリーン住宅支援事業」、長野県であれば「信州健康ゼロエネ住宅」などの補助金を活用いただけます。テオリアランバーテックでは、補助金を使ってお得に断熱リフォームされた事例がたくさんあります。次の章では、どのくらいお得になるのか補助金を使った事例を紹介します。 「DIYでがんばっても、やっぱり寒い」と感じたときは、それが断熱リフォームを考えるタイミングかもしれません。生活の質を大きく変える投資として、前向きに検討してみてはいかがでしょうか。 実際どう変わる?長野県の事例と断熱リフォームの効果 「ここまで違う!」断熱改修のビフォーアフター 「断熱リフォームって本当に効果があるの?」と疑問に感じている方もいるかもしれません。ここでは、実際に長野県内で断熱リフォームを行ったご家庭のビフォーアフターをご紹介します。 安曇野市H様邸 築28年の2×4住宅にお住まいですが、冬のつらい底冷えや夏の2階の暑さにお悩みでした。 床下と天井にセルロースファイバーを吹き込む断熱改修を実施しています。 BEFORE(床下) AFTER(床下) 施工前、床下は無断熱の状態。写真の奥に通気口(光がさしている部分)がありますが、ここから冷気が床下に流れ込み足元を冷やしています。 床下の断熱リフォームは、点検口から床下に潜り込み、床を剥がすことなく住んだままの状態で工事させていただきました。セルロースファイバー断熱材を140mmの厚さで充填しています。 BEFORE(天井) AFTER(天井) 天井にはマット状のグラスウールが施工されていましたが、劣化により断熱材を覆うシートが破れていたり、断熱材同士の隙間がある状態でした。これでは断熱材の効果が発揮されていません。また、断熱材の厚みも100mmと低断熱の状態でした。 夏の日差しで天井裏は60度を超えることもあります。天井の断熱性能が低いと熱が室内に伝わり、冷房効率が低下してしまいます。 セルロースファイバーは、細かな繊維が隙間を埋めていくため既存の断熱材(グラスウール)を活用し、220mmの厚みで施工しました。 ■ 断熱リフォーム費用と補助金 天井断熱 床下断熱 施工面積 約76㎡ 約84㎡ 概算費用 約390,500円 約876,000円 助成金 54,000円 168,000円 施工日数 1日 1日 ↓ 概算費用 合計 約1,266,500円 助成金 合計 222,000円 実質負担額 約1,044,500円 お客様の声 築28年の2×4の我が家。一応、ベタ基礎にはなっていますが、寒冷地にもかかわらず、床下に断熱材は入っていませんでした。薪ストーブを設置してあり、部屋全体は暖かくなるのですが、足元のスースーする寒さは続いていました。床下の断熱を考えていたところ、テオリアランバーテックさんで、画期的な工法があると知りました。断熱工事をやっていただいた最初の冬を過ごしましたが、薪の使用量が少なくなり、足元の寒さも改善しました。既存の住宅に床下断熱を考えているなら、おすすめです。 サーモグラフィーで見る断熱効果 別のお宅になりますが、効果が分かりやすいよう、サーモグラフィーで見たキッチンの断熱リフォーム前後の様子を紹介します。 工事前はキッチンの足元の温度は1.7℃でしたが、工事後に12.4℃と大きな変化が見られました。 BEFORE AFTER 撮影日:2022/1/20 外気温:0.6℃ 室内:石油ファンヒーター20℃運転 撮影場所:キッチン このように、断熱リフォームは「ただの工事」ではなく、日々の暮らしそのものを変える力があります。室温や光熱費といった“数字の変化”だけでなく、「体感としてあたたかくなった」「冬が怖くなくなった」という声も多数寄せられています。 快適な冬を叶える第一歩は「今の家を知ること」 専門家による無料診断で住まいの状態をチェック ここまで読んで「うちも同じような状況かもしれない」と感じた方も多いのではないでしょうか。とはいえ、いきなり工事を検討するのはハードルが高く感じてしまうものです。 そこでおすすめなのが、プロによる断熱診断サービスの活用です。 テオリアランバーテックでは、長野県内のお客様を対象に、断熱の専門スタッフが住まいの現状を確認する無料診断を行っています。 どこから冷気が入り込んでいるのか? どの部位の断熱性能が不足しているのか? どの程度の対策でどれくらい改善できるのか? こうした疑問に丁寧に向き合いながら、必要に応じて最適な対策をご提案します。もちろん、無理な売り込みは一切ありませんので、「まずは知ること」から始めたい方にも安心してご利用いただけます。 ご希望の方は、以下のフォームよりお気軽にお申し込みください。 👉 無料診断のお申し込みはこちら 暮らしをもっと快適にする第一歩は、今の住まいを正しく理解することから始まります。 執筆者 Ikeda 寒さは苦手な夏生まれ女子。断熱・シロアリ・エクステリアを勉強中。 自身も新築の際には、断熱性・防音性などに惚れ込み、断熱材「セルロースファイバー」を選択しました。 ふわふわかわいい「セルロースファイバー」の情報、寒い住宅の原因や対策などなど・・・体もお財布も温める情報を発信していきます!