【断熱リフォームの優先順位は?】効果が高い順と部位別の違いを解説 公開日:2024年11月25日/更新日:2026年3月31日 監修者斎木 守 住宅省エネアドバイザー/第二種電気工事士/しろあり防除士 三重県出身。学生時代は長野県で農業・畜産を学び、地域のコミュニティ活動にも積極的に参加。寒さには人一倍敏感で、自身も松本市で築30年の木造住宅に暮らし、経験を踏まえて長野県の断熱性能向上を支援しています。YouTube「テオリアチャンネル」でも活躍中。新築・リフォームを含め、これまでに1,800棟以上の断熱工事に携わっています。 \こんな方におすすめの記事です/ 『断熱リフォーム、どこからすればいいの?』 『断熱リフォーム、何をすればいいの?』 断熱リフォームを検討中の方から、よくいただくのが『断熱リフォーム、どこからすればいいの?何をすればいいの?』という質問です。 断熱リフォーム箇所の選択肢として、床下・天井・屋根・壁・窓などがありますが、限られた予算の中で工事をするのであれば、住宅における熱の損失率・侵入率の高い箇所(熱の出入りの激しい場所)を優先的に断熱することがおすすめです。 ただ、それ以外にもリフォームの手軽さや、お部屋の使用状況などによっても断熱リフォームの優先順位は変わると言えます。優先すべき点をしっかりと押さえ、ライフスタイルなどからご家族の希望もきちんと考慮した上で、断熱リフォームを進めていただきたいと思います。 目次 Toggle 結論|断熱リフォームの優先順位まずは結論|夏と冬で優先順位はこう考えます夏の暑さ対策を重視した断熱リフォーム優先順位1位:窓の断熱リフォーム2位:天井の断熱リフォーム3位:床下の断熱リフォーム4位:壁の断熱リフォーム冬の寒さ対策を重視した断熱リフォーム優先順位1位:窓の断熱リフォーム2位:床下の断熱リフォーム3位:天井の断熱リフォーム4位:壁の断熱リフォーム断熱リフォームの効果とは?窓・床下・天井・壁の違い窓の断熱リフォームの効果床下の断熱リフォームの効果天井の断熱リフォームの効果壁の断熱リフォームの効果住宅の熱はどこから出入りするのか夏の熱侵入冬の熱損失体感温度で変わる快適さ体感温度の計算式断熱性能の低い住宅断熱リフォームの優先順位のまとめ 結論|断熱リフォームの優先順位 断熱リフォームは、熱の出入りが大きい場所と、工事のしやすさをあわせて考えて優先順位を決めることが大切です。 特に既存住宅では、断熱性能だけでなく、住みながら工事できるか、解体が必要かによっても現実的な優先順位が変わります。 ここでは、弊社が対応している工事内容を前提に、夏と冬それぞれの優先順位を紹介します。 この優先順位の背景には、部位ごとの熱侵入率・熱損失率の違いがあります。詳しくは後半で解説します。 まずは結論|夏と冬で優先順位はこう考えます 夏の暑さ対策を重視する場合 窓 → 天井 → 床下 → 壁 冬の寒さ対策を重視する場合 窓 → 床下 → 天井 → 壁 窓は夏も冬も熱の出入りが最も大きいため、基本的に最優先です。 そのうえで、夏は屋根や天井からの熱の影響を受けやすい2階空間、冬は足元の冷えを感じやすい床まわりの優先度が上がります。 一方で壁は、熱の出入りだけを見ると重要な部位ですが、既存住宅では壁を壊す必要があることが多く、費用・工期・住みながら工事のしやすさを考えると、優先順位は下がりやすくなります。 夏の暑さ対策を重視した断熱リフォーム優先順位 夏の暑さ対策では、外から入ってくる熱をどこで抑えるかが重要です。 そのため、熱侵入率の大きさに加えて、既存住宅で工事しやすいかどうかも踏まえると、優先順位は次のようになります。 1位:窓の断熱リフォーム 熱侵入率:71% 工事のしやすさ:◯ 内窓であれば、非破壊で住みながら工事しやすい 窓は、夏の熱が最も入りやすい場所です。 そのため、暑さ対策ではまず窓の断熱性能を見直すことが基本になります。 特に内窓設置は、既存の窓を活かしたまま施工しやすく、工期や費用の面でも取り入れやすい方法です。 2位:天井の断熱リフォーム 熱侵入率:9% 工事のしやすさ:◯ 非破壊で住みながら工事しやすい 夏は、小屋裏や天井裏が高温になりやすく、その熱が室内に伝わります。 特に2階の暑さが気になる家では、天井断熱の優先度が高くなります。 非破壊で施工しやすい点も、優先順位が高い理由です。 3位:床下の断熱リフォーム 熱侵入率:2% 工事のしやすさ:◯ 非破壊で住みながら工事しやすい 床下は、夏の熱侵入率だけを見ると優先度は高くありません。 ただし、非破壊で工事しやすく、冬の寒さ対策にもつながるため、将来的な快適性も考えると検討しやすい部位です。 4位:壁の断熱リフォーム 熱侵入率:13% 工事のしやすさ:× 壁を壊す必要があることが多い 壁は熱の出入りの面では重要ですが、既存住宅では解体を伴いやすく、工事の負担が大きくなります。 そのため、壁だけを単独で優先するというより、間取り変更や内装改修などの大規模リフォームとあわせて検討するのが現実的です。 冬の寒さ対策を重視した断熱リフォーム優先順位 冬の寒さ対策では、室内の暖かい空気をどこから逃がさないかが重要です。 熱損失率の大きさと工事のしやすさをあわせて考えると、優先順位は次のようになります。 1位:窓の断熱リフォーム 熱損失率:48% 工事のしやすさ:◯ 内窓であれば、非破壊で住みながら工事しやすい 冬も、最も熱が逃げやすいのは窓です。 暖房をつけても寒い、窓際が冷える、結露が気になるといった悩みがある場合は、まず窓から見直すのがおすすめです。 2位:床下の断熱リフォーム 熱損失率:10% 工事のしやすさ:◯ 非破壊で住みながら工事しやすい 床下は、熱損失率だけで見ると壁より低いものの、冬の体感温度に大きく影響します。 特に既存住宅では床下が外気の影響を受けやすく、足元の冷えや底冷えの原因になりやすいため、冬の優先度は高くなります。 3位:天井の断熱リフォーム 熱損失率:6% 工事のしやすさ:◯ 非破壊で住みながら工事しやすい 天井も、冬の熱損失を抑えるうえで重要な部位です。 ただし、冬の体感としては床の冷たさのほうが不快感につながりやすいため、既存住宅では床下より優先順位が一段下がる場合があります。 4位:壁の断熱リフォーム 熱損失率:19% 工事のしやすさ:× 壁を壊す必要があることが多い 壁は熱損失率だけを見ると重要な部位です。 ただし、既存住宅では壁を壊す必要があるケースが多く、工期や費用の負担も大きくなります。 そのため、内装の全面改修や間取り変更とあわせて行う場合を除き、優先順位は下がりやすいと考えられます。 断熱リフォームの効果とは?窓・床下・天井・壁の違い 断熱リフォームは、工事する場所によって期待できる効果が異なります。 そのため、優先順位は「熱の出入りの大きさ」だけでなく、「今どんな悩みを改善したいのか」によっても変わります。 ここでは、窓・床下・天井・壁それぞれの断熱リフォームで期待できる効果と、どんな悩みに向いているのかを見ていきましょう。 窓の断熱リフォームの効果 窓の断熱リフォームは、外気の影響を受けやすい開口部の性能を高める方法です。夏は外からの熱の侵入を抑えやすく、冬は室内の暖かい空気が逃げにくくなるため、冷暖房効率の改善が期待できます。 また、窓まわりのヒヤッとした不快感や結露対策につながりやすい点も大きな効果です。 「暖房をつけても窓際が寒い」「夏に日差しや外気の熱で室内が暑くなる」「結露が気になる」といったお悩みがある場合は、まず窓の断熱リフォームを検討するのがおすすめです。特に、既存の窓を活かしながら施工しやすい内窓設置は、住みながら工事しやすい方法として取り入れやすいでしょう。 床下の断熱リフォームの効果 床下の断熱リフォームは、冬の足元の冷え対策に効果的です。特に、脱衣所・リビング・キッチンなど足元の冷えが気になる家では、床表面の温度が低いことが体感温度を下げる原因になっている場合があります。 床下を断熱することで、底冷えの軽減や冬場の快適性向上が期待できます。室温がそれほど低くなくても、「足元だけ寒い」「暖房をつけても暖かく感じにくい」といった不快感がある場合は、床下断熱の効果を感じやすい傾向があります。 特に、築年数が経過した住宅や、床下が外気の影響を受けやすい構造の家、足元の冷えが気になる場所がある家に向いています。冬の寒さを何とかしたい方にとっては、窓の次に検討しやすい断熱リフォームです。 天井の断熱リフォームの効果 天井の断熱リフォームは、夏の2階の暑さ対策に効果的です。小屋裏や天井裏は夏場に高温になりやすく、その熱が室内へ伝わることで、2階の寝室や子ども部屋が暑くなりやすくなります。 天井の断熱性能を高めることで、外気温の影響を受けにくくなり、冷房効率の改善も期待できます。特に「2階だけ暑い」「夜になっても熱がこもる」「エアコンをつけても寝苦しい」といった悩みがある場合は、天井断熱が有効なケースがあります。 最上階の部屋の暑さに悩んでいる家や、小屋裏の熱の影響を受けやすい住宅では、天井の断熱リフォームを行うことで、夏の過ごしやすさが大きく変わる可能性があります。夏の暑さ対策を重視したい方に向いている工事です。 壁の断熱リフォームの効果 壁の断熱リフォームは、住まい全体の断熱性を底上げしやすい方法です。窓・床下・天井のように部分的な悩みを改善するというよりも、家全体の温熱環境を見直したい場合に向いています。 ただし、既存住宅では壁を壊す必要があるケースが多く、工事の負担が大きくなりやすいため、優先順位は下がることがあります。熱の出入りの面では重要な部位ですが、費用や工期、住みながら工事できるかどうかまで考えると、単独で行うハードルは低くありません。 一方で、間取り変更や内装改修とあわせて行う場合は、断熱効果を高める有力な選択肢になります。「せっかく大規模リフォームをするなら断熱性も高めたい」「住まい全体の性能を底上げしたい」という場合には、壁の断熱リフォームを検討する価値があります。 住宅の熱はどこから出入りするのか そもそも、なぜ冷房をつけているのに暑い、暖房をつけているのに寒い、ということが起こるのでしょうか。 その原因として、隙間がある・低断熱・無断熱などが挙げられます。冷暖房をつけて家の中の温度を快適にしようとしても、このように外気に影響されやすい状態では、光熱費が無駄になってしまいます。 そこで、夏にどこから熱が侵入するのか・冬にどこから熱が逃げているのかを知ることが大切です。 夏の熱侵入 夏に室内で冷房をつけていても、次のような順番で室外から室内に熱が侵入します。 1位:窓(開口部) 71% 2位:壁 13% 3位:屋根・天井 9% 4位:床 2% その他:5% 冬の熱損失 冬に室内で暖房をつけていても、次のような順番で室内から室外へと熱が逃げていきます。 1位:窓(開口部) 48% 2位:壁 19% 3位:床 10% 4位:屋根・天井 6% その他:17% 体感温度で変わる快適さ 夏の熱侵入と冬の熱損失のお話をしましたが、この数字がすべてというわけではありません。 温かい空気は上に移動し、冷たい空気は下に移動します。特に冬場は室温は低くないのに足元がひんやり。寝るときまで靴下が手放せないなんて方も多いのではないでしょうか。 それは、体感温度が低いからで、体感温度が低いのは床の表面温度が低いからです。 人が快適と感じる温度は20℃~22℃と言われています。家の中では、床は常に触れている場所であり、断熱されていない表面温度の低い床は体温を奪います。このことを考えると、床の断熱の優先順位は上がってくるような気がしますね。 体感温度の計算式 体感温度とは、人が肌で感じる暑さや寒さの感覚を数字にしたものです。同じ気温でも、風があるのとないのとでは、温度の感じ方は変わってきますよね?体感温度は風の影響の他にも、湿度・体調・年齢・代謝・服装などでも変わってきます。 感覚を数値化したものなので基準ということにはなりますが、室内での体感温度は、次の計算式で表すことが出来ます。 体感温度を上げるには、室温を上げるか・表面温度を上げるか、という話になります。 断熱されていないお家は、1つの部屋でも壁・天井・床付近で室温にむらが出来てしまうので、室温を上げるのは効率がよくありません。表面温度を上げる努力をしたほうが、効率が良さそうですね。表面温度を上げるために、断熱リフォームをすると暖房効率が上がり、必然的に室温も上がるのです。 断熱性能の低い住宅 上の画像より、断熱性能の低い住宅で、室温が22℃、壁・天井・床の表面温度の平均が10℃でした。 これを先ほどの計算式に当てはめると・・・ 体感温度は16℃ということが分かりました。室温が22度あっても、低断熱・無断熱によって壁・天井・床の表面温度が低いと、体感温度にこんなにも影響を与えるのです。 断熱リフォームの優先順位のまとめ 断熱リフォームにおいての優先順位は次のように考えましょう。 夏の熱侵入、冬の熱損失を考えた断熱リフォームが大切 非破壊断熱は、コスト軽減・短期間工事が可能・エコである 夏の暑さ対策を重視した断熱リフォームの優先順位は、窓・天井・床下・壁の順番 冬の寒さ対策を重視した断熱リフォームの優先順位は、窓・床下・天井・壁の順番 窓は寒さ・暑さ・結露、床下は足元の冷え、天井は2階の暑さ、壁は住まい全体の性能向上に効果が期待できる お金がかかることだからこそ、断熱リフォームする箇所の優先順位は大切ですね。 お家によって、寒さを感じる場所は 脱衣所・トイレ・キッチンなどさまざまです。夏場は、熱が上へ上へと移動していくので2階の寝室が暑くて寝苦しいといったお悩みをお持ちの方も多いかと思います。 熱の出入りの大きさ・工事のしやすさ・暑さや寒さのお悩み・よく使うお部屋などを踏まえて、ご家族に合った断熱リフォームを進めていただければと思います。 テオリアランバーテックは、長野県内全域で非破壊でできる内窓設置や天井・床下の断熱リフォームを行っております。 まずは、無料の断熱調査をご依頼ください。 執筆者 Ikeda 寒さは苦手な夏生まれ女子。断熱・シロアリ・エクステリアを勉強中。 自身も新築の際には、断熱性・防音性などに惚れ込み、断熱材「セルロースファイバー」を選択しました。 ふわふわかわいい「セルロースファイバー」の情報、寒い住宅の原因や対策などなど・・・体もお財布も温める情報を発信していきます!