【長野県】セルロースファイバーで非破壊断熱

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冬の暖房設定温度は何度が最適?快適さと節電を両立させる方法

冬の暖房設定温度は何度が最適?快適さと節電を両立させる方法

監修者斎木 守

住宅省エネアドバイザー/第二種電気工事士/しろあり防除士
三重県出身。学生時代は長野県で農業・畜産を学び、地域のコミュニティ活動にも積極的に参加。寒さには人一倍敏感で、自身も松本市で築30年の木造住宅に暮らし、経験を踏まえて長野県の断熱性能向上を支援しています。YouTube「テオリアチャンネル」でも活躍中。新築・リフォームを含め、これまでに1,800棟以上の断熱工事に携わっています。

「冬の暖房は何℃に設定するのが正解なんだろう?」
多くの方が一度は悩むこの疑問。暖房を24℃に設定しても寒く感じる日もあれば、20℃でも十分暖かい日もあり、「結局どの温度がベストなの?」と迷ってしまいますよね。
実は、暖房の“最適な設定温度”は一つではありません。住宅の断熱性能や窓からの冷気、部屋ごとの温度ムラ、湿度、服装など、さまざまな条件が体感温度に影響します。そのため、寒さを感じるほど設定温度が上がってしまい、結果的に電気代が増えてしまうケースも少なくありません。
この記事では、快適・健康・節電を両立できる暖房設定温度の目安と、設定温度を上げなくても暖かく過ごせる家づくりのポイントをわかりやすく解説します。毎冬の「寒い…」を根本から解消したい方は、ぜひ参考にしてください。

暖房の設定温度は何℃が正解?まず知っておきたい基本

推奨される室温「20℃」の根拠

環境省では、快適性を損なわない範囲で省エネルギーを目指す、としており、冬の室温は20℃にすることを推奨しています。
また、世界保健機関(WHO)は18℃を下回る室温を危険視しています。その理由は、長時間の冷えが血圧変動や循環器系の負担を引き起こすためです。日本でも「ヒートショック」のリスクがたびたび話題になりますが、寒さによる急激な血圧変動は年齢を問わず体に負担を与えます。

そのため、
・高齢者
・幼児
・持病のある方
・冬でも薄着で過ごしがちな方
といった家庭では、20〜22℃前後を基準とした方が安心して生活できます。暖房の設定温度を考える際には、「世帯構成」と「健康面」を含めて判断することが大切です。

設定温度と室温が一致しない理由

エアコンの設定温度を24℃にしても寒く感じることがある一方で、20℃設定でも暖かく感じる日があるのはなぜでしょうか。その答えは、住宅の断熱性能や空気の流れ方によって、設定温度と実際の室温に差が生まれやすいからです。
設定温度と室温が一致しない主な理由は次のとおりです。

1. 断熱性能の違い
床・天井・壁に十分な断熱材が入っていないと、暖めた空気が外へ逃げやすくなり、設定温度を上げても室温が上がりにくくなります。築20年以上の住宅では、断熱材がほとんど入っていないケースも珍しくありません。

2. 窓からの冷気・熱損失
窓は家の中で最も熱が逃げる場所です。単板ガラスや古いアルミサッシの場合、窓際だけ極端に冷える「冷輻射」が起き、同じ部屋でも体感温度が数℃変わることがあります。

3. エアコンの位置と空気の循環
暖気は上に、冷気は下にたまります。吹き出し口の位置や部屋の形状によって暖かい空気が循環せず、床付近だけ冷えて感じることが多くあります。

4. 室内の温度ムラ
家具の配置や間取り、開口部の位置によって空気が滞留し、暖房の効きにムラが出ることがあります。「ソファに座ると寒いのに、立つと暖かい」という現象はその典型例です。

これらの要因が重なると、リモコンに表示される設定温度と室温の差が大きくなり、「24℃に設定しても寒い」「20℃なのに暖かい」という感覚につながります。逆に言えば、この“温度のズレ”を理解し、改善できれば、設定温度を上げすぎなくても快適な室内環境をつくることが可能です。

時間帯・シーン別のおすすめ暖房設定温度

暖房の設定温度を考えるときは、「家族の健康」や「節電」だけでなく、時間帯や生活シーンごとの使い分けがとても重要です。実際、同じ20℃でも、日中と夜間では体感温度が大きく変わることがあります。これは、活動量や衣類、湿度、外気温の変化など、多くの環境要因が影響するためです。
ここでは、日中・就寝時・外出時など、 暮らしのシーンに合わせた最適な暖房設定の目安 を紹介します。

日中(在宅・家事中)の目安温度

日中に過ごす室温は、20〜22℃が目安です。この温度帯が適切とされる理由は、家事や仕事など、日中は体を動かす機会が多いためです。体を動かすことで熱が生まれ、同じ室温でも寒さを感じにくくなります。
とはいえ、在宅ワークなど座った状態が長い場合は、活動量が低くなるため、やや高めの21〜22℃に設定すると快適です。一方で家事が中心でよく動く人は、20℃前後でも十分に暖かさを感じられます。
また、日中は外気温が朝や夜に比べて高くなる傾向があるため、設定温度を必要以上に上げなくても部屋が暖まりやすい時間帯でもあります。体を動かす量と外気温のバランスを見ながら、「少し肌寒い程度」を目安に微調整することが節電にもつながります。

就寝時の最適温度と注意点

睡眠時の暖房は、18〜20℃が推奨されています。布団や毛布といった寝具があるため、起きているときよりも低い温度で心地よく過ごせるからです。寝具がしっかりしていれば、20℃以上に設定する必要はほとんどありません。
注意したいのは、「就寝中は暖房を完全にOFFにしてしまう」ケースです。特に寒冷地や築年数の古い住宅では、深夜から明け方にかけて室温が急激に低下し、体調不良の原因になることがあります。夜間の冷え込みは、睡眠の質にも大きく影響します。

快適に眠るためには、次のような使い方がおすすめです。
・寝る直前まで 20℃前後で部屋を暖めておく
・就寝後は 18〜19℃に設定し直す
・完全に暖房を切らず、タイマーで朝方に再稼働させる

このように、寝具と暖房を組み合わせることで、暖めすぎず、冷やしすぎない快適な睡眠環境をつくることができます。

外出時・不在時の暖房設定のコツ

外出時の暖房設定は、「不在時間の長さ」によって使い分けることがポイントです。
1〜2時間程度の短時間の外出であれば、暖房を完全にOFFにせず、20℃前後で運転を継続した方が効率的です。エアコンは起動直後の電力消費が大きく、室温が大きく下がった状態から再び暖める方が電気代がかかる場合があるためです。
一方で、半日以上不在になる場合は、暖房の設定温度を下げるか、タイマーで必要な時間だけ動くように調整します。

長時間外出時のポイントは以下のとおりです。
・長時間不在なら 16〜18℃程度に設定して維持
・タイマーで帰宅前に暖房を再稼働
・ストーブやパネルヒーターなどは必ずOFF

また、エアコン以外の暖房器具では注意点が異なります。
例えば、石油ストーブやガスファンヒーターなどは、燃焼式のため不在時の運転は避ける必要があります。安全性を最優先にしながら、暖房器具の特性に合わせて使い分けることが大切です。

 

20℃に設定しても寒い原因は?体感温度を左右する3つの要素

暖房の設定温度を20℃にしているのに、「どうしても寒い」「部屋が暖まり切らない」と感じることは珍しくありません。これは暖房機の性能だけが原因ではなく、住宅内の環境要因が体感温度を大きく左右しているためです。

特に影響が大きいのが、
1.温度ムラ(窓・床・壁)
2.空気循環の悪さ
3.湿度・服装・体質
という3つの要素です。この3つがうまく整っていないと、温度計が20℃を示していても、実際には16〜18℃程度の肌感覚になることもあります。

しかし、裏を返せば、これらの要素を改善すれば「設定温度を上げなくても暖かい家」に近づけることができます。ここからは、それぞれの原因を具体的に解説していきます。

窓・床・壁から生じる温度ムラ

部屋の温度を左右する最大の要因は、窓・床・壁から生じる温度ムラです。特に窓際が冷えるのは、多くの家庭で共通する悩みです。
まず、単板ガラスや古いアルミサッシの場合、外気温の影響を大きく受け、冷輻射と呼ばれる“冷えの放射”が発生します。これは、窓付近に立つと「冷たい空気が流れてくるように感じる」現象の原因です。室温が20℃でも、窓辺だけは肌感覚で16℃前後に感じるケースもあります。
さらに、床の冷えも体感温度を大きく下げます。暖かい空気は天井付近に溜まりやすく、断熱材が不十分な床下では、足元だけ冷気が残りやすくなります。足元の体感温度が低いと、人は無意識に「部屋全体が寒い」と判断します。
また、築年数が古い住宅では、壁の断熱材が薄い、あるいは施工されていないケースも珍しくありません。壁から冷気が伝わると、設定温度通りに室温が上がらず、同じ部屋でも場所によって寒暖差が生じる原因になります。

このように、温度ムラは暖房の効きを妨げる大きな要因であり、体感温度を下げる代表的な現象です。

空気の滞留と暖房効率の低下

部屋が暖まりにくいもう一つの理由が、空気の流れが止まってしまう「空気の滞留」です。
暖気は軽いため、吹き出された空気は天井付近に上がっていきます。その結果、天井だけが暖まり、床付近は冷えたままという状態になりやすく、設定温度が20℃でも体感温度は思ったほど上がりません。
さらに、家具の配置や部屋の形状、間取りによっても空気の流れは阻害されます。例えば、ソファや棚の裏に暖気が溜まってしまい、人がいる場所には暖かい空気が届かない、といったことが起こります。
こうした空気の偏りを解消することは、設定温度をむやみに上げるよりも効果的で、節電にもつながります。

湿度・服装・体質による体感温度の差

体感温度を左右するもう一つの大きな要因が、湿度・服装・体質の違いです。
まず湿度についてですが、湿度が40%を下回ると、同じ温度でも肌寒く感じることが知られています。空気が乾燥していると、肌の水分が蒸発しやすくなり、熱が奪われてしまうためです。逆に、湿度が適切(40〜60%)に保たれていると、体感温度が2〜3℃上がることもあります。
次に服装です。薄着で過ごしている場合、暖房の効率が上がっても体全体が暖まらず、寒さを感じやすくなります。一方で、重ね着や起毛素材の衣服を活用することで、設定温度を上げなくても快適に過ごせるようになります。
さらに、体質によっても感じ方は大きく異なります。冷え性の方や血行が悪くなりがちな方は、室温の数値以上に寒さを感じやすく、逆に活動量が多い人は同じ温度でも暖かさを感じます。

このように、湿度や服装、体質は体感温度に大きく影響するため、暖房の設定温度だけに頼らず、湿度管理・衣服調整・生活習慣の見直しを組み合わせることが重要です。

 

節電しながら暖かく快適に過ごす方法

節電を意識しながら暖かく過ごすためのポイントを紹介します。

重ね着やあったかグッズを活用

体温調整機能が低下している高齢者や、体温調整が未発達な小さなお子さんがいるご家庭では、室内温度の感じ方に個人差が出やすくなります。無理に暖房の設定温度を下げるのではなく、必要に応じて少し高めに設定することも大切です。
また、重ね着は「空気の層」をつくることで保温性が高まり、薄手の衣服でも暖かく感じられます。腹巻き・レッグウォーマー・ブランケット・湯たんぽなどの“あったかアイテム”を組み合わせることで、体の中心部と末端をバランスよく温められます。
特に足元が冷えやすい方は、スリッパを厚手のものにするだけでも効果的です。暖房に頼り切らずに体感温度を上げられるため、節電と快適性の両立がしやすくなる方法です。

サーキュレーターで温度ムラをなくす

暖房によって温められた空気は上にたまり、足元は冷えたままになります。これが「温度ムラ」の原因です。サーキュレーターを使って空気を循環させることで、部屋全体の温度を均一にし、より少ないエネルギーで快適な環境を維持できます。

暖房効率を上げるサーキュレーターの使い方は2パターン

冬に効果的なサーキュレーターの使い方
使い方のポイントは、暖房機器の対角線上に設置し、天井に溜まった暖気へ向けて風を送ること。これにより暖かい空気が部屋全体に広がりやすくなり、体感温度が自然に上がります。
ストーブの場合は、サーキュレーターの風が直接炎に当たらないように注意が必要です。風向きを「ストーブの真上に溜まる暖気」に向けることで、安全性と効率が両立できます。

冬に効果的なサーキュレーターの使い方
部屋のレイアウト上、対角線が難しいときは、部屋の中心から天井へ向けて送風する方法も有効です。

なお、扇風機でも代用できますが、扇風機は広範囲に弱い風を送る仕組みのため、空気循環としてはサーキュレーターより効率が劣ります。暖房効率の最大化を狙うなら、サーキュレーターの使用がおすすめです。

湿度調整で変わる体感温度

同じ室温でも、湿度によって体感温度は大きく変わります。空気が乾燥していると体から水分が奪われ、熱が逃げやすくなるため寒さを強く感じます。逆に湿度がある程度保たれていれば、体から熱が奪われにくくなり、暖かさを感じやすくなります。

湿度で変わる体感温度

冬場の室内は湿度40~60%を目安に加湿するのがおすすめです。特にエアコンやファンヒーター、セラミックファンヒーター、ハロゲンヒーターなどは運転中に空気が乾燥しやすく、気づかないうちに体感温度が下がってしまう原因になります。
加湿器を併用したり、洗濯物の室内干し、加湿効果のある観葉植物などを取り入れるのも手軽で効果的な湿度対策です。ただ、湿度が60%を超えると結露やカビが発生しやすくなるため、注意が必要です。

暖房機器のタイマー機能

エアコンやファンヒーター、オイルヒーターなど、多くの暖房機器には便利なタイマー機能が搭載されています。これを上手に活用することで、必要な時間帯だけ暖房を効率よく使うことができ、無駄な電力消費を防げます。
例えば、起床の30分前に暖房をセットしておけば、寒い朝でも快適に準備ができます。帰宅時間に合わせて暖房をオンにしておけば、帰宅直後の冷えた部屋を暖める時間を短縮できます。また、就寝時に自動オフを設定すれば、つけっぱなしによる電気代の無駄を防ぎながら安全に使用できます。
特にオイルヒーターや床暖房などは暖まるまでに時間がかかるため、タイマー運転との相性がとても良い機能です。

暖房機器の「自動運転」モード

暖房機器を「自動運転モード」で使用すると、機器が室温や設定温度に合わせて自動で風量や出力を調整してくれます。最初は最大出力で部屋を素早く暖め、設定温度に近づくと徐々に出力を弱めるため、必要以上に暖めすぎる心配がありません。
手動で風量を固定すると、強すぎて乾燥しすぎたり、弱すぎて暖まりにくかったりしますが、自動運転ならこれらの心配が軽減され、結果として節電につながります。
機種によっては「エコ自動」「省エネモード」など名称は異なりますが、基本的な仕組みは同じです。暖房の効率を最大限に上げたい場合は、自動運転を活用するのがおすすめです。

暖房機器のスマートフォン連携

最近はエアコンを中心に、スマホ連携ができるモデルが増えています。専用アプリを使うことで、外出先から電源オン・オフ、温度調整、運転モード切替などが可能になり、生活スタイルに合わせて柔軟に暖房管理ができます。
例えば、帰宅時間が変わったときにスマホで温度設定を調整すれば、到着時にはちょうどいい暖かさになります。また、外出中に「消し忘れたかも…」という不安があっても、アプリから確認できるので安心です。
さらに、天気予報と連動して自動調整してくれるモデルも登場しており、急な冷え込みにも対応できます。効率的な暖房運用と快適な生活の両方を叶える便利な機能です。

暖房機器の定期的なメンテナンス

暖房機器は種類によってメンテナンス方法が異なりますが、どの機器でも共通して言えるのは「定期的な清掃や点検が暖房効率を左右する」ということです。
例えばエアコンならフィルターが汚れていると空気の吸い込みが悪くなり、必要以上の電力を消費します。石油ストーブやガスファンヒーターでは、吸気口や燃焼部にホコリがたまると燃焼効率が低下し、不完全燃焼のリスクも高まります。
メンテナンスを怠ると暖房効率が下がり、同じ暖かさを得るためにより多くの電力・燃料を使うことになるため、光熱費の負担にもつながります。説明書を確認し、シーズン前後には必ず掃除・点検を行いましょう。長く、安全に、そして節電しながら使用するためにも欠かせない習慣です。

▼3年間エアコンクリーニングしなかった結果
『家が寒い!エアコンの暖房が効かなくなった原因と対策』

 

断熱リフォームで“20℃で快適”を実現する方法

断熱性能が低いと、温めた空気が外へ逃げ、室内で温度ムラができる

暖房の設定温度を20℃にしても寒さを感じる原因の多くは「住宅の断熱性能」にあります。断熱が十分でない家では、暖房でつくった熱が外へ逃げやすく、同じ設定温度でも“暖まりにくい家”になってしまいます。これは暖房器具の性能とは別の問題であり、住宅そのものが持つ熱の逃げ道を改善しない限り、根本的な解決につながりません。

そこで効果的なのが、断熱リフォームです。特に、内窓断熱・床断熱・天井断熱といった部分的な改善は、工事の規模が比較的小さいにもかかわらず、体感温度の向上に直結するポイントです。ここでは、弊社で行う断熱リフォーム方法をもとに、それぞれの改善策がどのように「20℃で快適な家」を実現するのかを、具体的な理由とともに解説します。

内窓設置で窓際の冷気をカット

内窓を設置して窓が二重になっている様子

「窓は家の中で最も熱が逃げる場所」と言われ、一般的な住宅では約50%の熱が窓から失われるとされています。特に単板ガラスやアルミサッシの場合、外気温の影響を受けやすく、暖房を入れても窓際だけ極端に冷える「冷輻射」が起こりやすい環境です。

内窓は、既存の窓の内側にもう一枚サッシを取り付ける工法で、
・窓の断熱性を向上
・隙間風の侵入を抑制
・冷輻射の軽減
といった効果が期待できます。これにより、室温と窓辺の温度差を軽減し、窓際の体感温度を2〜4℃ほど高く感じられるケースが多くなります。

例えば、築30年の木造住宅で内窓を設置したケースでは、冬の朝に感じていた「窓からの冷気」がほとんどなくなり、暖房設定温度を24℃から20℃に下げても快適に過ごせるようになったという例もあります。暖房の効きが改善されるだけでなく、結露軽減や防音効果などの副次効果も得られます。

床・天井の断熱強化で足元の冷えを改善

床下断熱リフォームで底冷えを改善

「暖かい空気は天井へ、冷たい空気は床へ溜まる」という性質から、足元の冷えは多くのご家庭で大きな悩みとなります。特に、床下の断熱が不十分な住宅では、外気温の影響を直接受けやすく、暖房で部屋全体が20℃になっていても、足元の体感温度が15〜17℃にしか感じられないことがあります。
この問題を改善するのが、床下断熱と天井断熱です。

床下断熱は、点検口から床下に潜り込み、既存の床組に合わせて断熱材を隙間なく施工する方法です。弊社の工事は床を剥がさないので、住んだまま短期間・無駄なコストをかけずに床下の冷気を大幅に抑えることができます。

天井断熱は、暖かい空気が逃げる“上方向の熱損失”を防ぎ、安定した室温を保つために欠かせません。床下断熱と同様で非破壊で工事が可能です。

床と天井をセットで改善することで、
・足元の冷えが解消される
・部屋全体の温度ムラが小さくなる
・暖房の設定温度を上げずに済む
といった効果が期待できます。暖房の効きが悪く感じる場合は、設備ではなく住まいの断熱そのものに課題がある可能性を疑ってみることが大切です。

築年数の古い住宅に多い断熱の弱点とは?

築20〜30年以上の木造住宅では、当時の断熱基準が現在よりも低かったこともあり、断熱が不十分なケースが多く見られます。具体的には、
・壁の断熱材が薄い、または入っていない
・床下に断熱材が施工されていない
・天井断熱が不足している
・サッシがアルミ製の単板ガラス
といった“断熱の弱点”が複数重なっていることも珍しくありません。

こうした住宅では、暖房の設定温度を上げても建物自体が熱を保持できず、外気温に左右されやすいため、寒さの根本解決にはつながりません。
そのため、まずは 断熱の現状を正しく把握するための点検・調査 が重要です。どの部分の熱損失が大きいのかを明確にすることで、どこを優先して改善すべきか・小規模工事で済むのか・全体断熱が必要なのか、といった判断ができ、効率的に暖かい家へ近づけることができます。

築年数の経った住宅では、断熱の弱点が複数存在することも多いため、専門家による現地調査のうえ、窓・床・天井などの“効果の出やすい場所”から改善するのが最も現実的なアプローチです。

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断熱リフォームの優先順位は?

 

暖房の温度設定がエネルギー効率に与える影響

設定温度-1℃の電気代インパクト

エアコンの設定温度を1度下げると電気代が約10%削減される見込み

快適な室温は20℃なので、暖房機器の設定温度は20℃より少し高めが良いというお話をしましたが、設定温度を高くするとその分光熱費が上がります。実際に、エアコンの設定温度を1℃下げることで電気代が約10%削減されると見込まれています。※1
※1 出典:財団法人省エネルギーセンター「「省エネライフスタイルチェック25」の各種行動と省エネ効果に関する調査報告書」(平成17年3月)

例えば、冬にエアコンを1日8時間使用し、月額で暖房費が12,000円かかっている家庭の場合、1℃下げるだけで月1,000〜1,200円程度の節約になる計算です。
もちろん、住宅の断熱性能やエアコンの機種、外気温によって差はありますが、「1℃でこれだけ変わる」という事実は、多くのご家庭で共通しています。

ただし、設定温度を無理に下げすぎると、体感温度が低くなり逆に暖房使用時間が延びてしまう可能性があります。

 

暖かく快適に過ごすためにできること

冬の暖房設定温度は「何℃が正解」と一言では言い切れませんが、この記事で紹介したポイントを踏まえることで、暖房に頼りすぎず、室温20℃前後でも快適に過ごせる環境を整えやすくなります。最後に、実践すべき手順を優先順位とともに整理します。

1.室温と湿度を確認する
まずは現在の住まいの状況を把握することが重要です。温湿度計を使い、室温が何℃なのか、湿度が40〜60%を保てているのかを確認します。湿度が低いだけで、同じ20℃でも肌寒さが大きく変わります。

2.空気の流れを整える
暖気が天井に偏ったり、窓際だけ冷えたりする場合は、サーキュレーターや扇風機を使って空気を循環させます。空気の流れが改善されると、体感温度が1〜2℃上がることもあり、設定温度を上げずに快適性を高められます。

3.必要に応じて断熱の見直しを行う
室温・湿度・気流を整えても暖まりにくい場合は、住宅自体の断熱性能に原因がある可能性があります。窓際の冷え、床の冷たさ、天井付近との温度差といった症状は、断熱不足の典型例です。部分的な改善(内窓、床断熱、天井断熱)でも体感は大きく変わるため、優先順位を決めて対策することが効果的です。

暖房の設定温度だけで快適さを調整するのではなく、「家そのものを暖めやすくする」という視点を持つことで、節電と快適性を両立できます。

ご自宅の寒さや暖房効率に不安がある場合は、断熱の専門家による点検を受けると、問題の原因や最適な改善ポイントが明確になります。無理な工事を前提としない「現状診断」だけでも大きなヒントが得られますので、気になる方は一度相談してみてください。

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お家の断熱調査(無料)や断熱リフォームのご相談など、気になることはお気軽にテオリアランバーテックにご相談ください。

 

執筆者

Ikeda

寒さは苦手な夏生まれ女子。断熱・シロアリ・エクステリアを勉強中。
自身も新築の際には、断熱性・防音性などに惚れ込み、断熱材「セルロースファイバー」を選択しました。
ふわふわかわいい「セルロースファイバー」の情報、寒い住宅の原因や対策などなど・・・体もお財布も温める情報を発信していきます!

 

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