【長野県】セルロースファイバーで非破壊断熱

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サッシ結露対策を徹底解説|原因・応急処置・窓リフォームで根本改善

サッシ結露対策を徹底解説|原因・応急処置・窓リフォームで根本改善

監修者斎木 守 住宅省エネアドバイザー/第二種電気工事士/しろあり防除士
三重県出身。学生時代は長野県で農業・畜産を学び、地域のコミュニティ活動にも積極的に参加。寒さには人一倍敏感で、自身も松本市で築30年の木造住宅に暮らし、経験を踏まえて長野県の断熱性能向上を支援しています。YouTube「テオリアチャンネル」でも活躍中。新築・リフォームを含め、これまでに1,800棟以上の断熱工事に携わっています。

冬になると、毎朝サッシや窓ガラスにびっしり水滴がついてしまい、拭いても拭いても止まらない…。そんな経験はありませんか?結露は見た目の不快感だけでなく、カビ・ダニの発生や木材の劣化、健康被害にもつながるため、放置してはいけない問題です。
本記事では、サッシ結露の原因を整理し、すぐにできる応急対策から内窓設置といった根本改善まで、分かりやすく解説します。「なぜ結露が起こるのか」「どんなサッシ結露対策が効果的なのか」を知ることで、快適で健康的な住まいづくりの第一歩を踏み出せるでしょう。

サッシ結露の原因を正しく知る

結露はどうして起こるのか

結露は「室内の湿気が冷たい窓やサッシに触れ、空気中の水蒸気が水滴になる現象」です。特に冬は室内の暖房で空気が暖まり湿度も高くなる一方、外気にさらされる窓やサッシの表面温度は低下します。この温度差が大きくなると、窓表面が“露点温度”を下回り、水滴が付着するのです。

以下の図のように、“温度差・湿度・断熱不足”が重なると結露は必ず発生します。

温度差・湿度・断熱不足が重なると結露は必ず発生する

温度差 室内と室外の温度差が大きいほど結露が起こりやすい
湿度 室内の湿度が高いと、少しの温度差でも水滴が生じやすい
断熱不足 窓や壁の断熱性能が低いと、室内表面が冷えやすく結露が発生

つまり、単に「加湿しすぎたから」ではなく、家の断熱性能やサッシ自体の熱の伝わりやすさも大きく関係しているのです。

サッシや窓まわりが結露しやすい理由

窓は住宅の中で最も熱の出入りが大きく、室内外の温度差によって結露が発生しやすくなります。
窓は「サッシ」「ガラス」から構成されており、それぞれの素材や種類によって熱の伝わりやすさが異なります。

サッシ

サッシの結露対策-サッシの種類

アルミサッシ:熱伝導率が高く、外気の冷たさがすぐ伝わるため最も結露しやすい。
アルミ樹脂複合サッシ:断熱性と強度のバランス型だが、アルミ部分で部分的に結露が出やすい。
樹脂サッシ:断熱性が高く結露しにくいが、高湿度環境ではガラス面に発生することがある。
木製サッシ:断熱性が高く結露しにくいが、湿気を吸いやすくカビや劣化に注意が必要。

結露対策にはサッシ選びが重要です。特にアルミサッシは熱を伝えやすく結露の大きな原因になります。
熱を伝えにくい樹脂や木製のサッシを室内側に採用する事で結露を軽減できます。

ガラス

サッシの結露対策-窓ガラスの種類

単板ガラス:断熱性が低く、外気温の影響を直接受けるため最も結露しやすい。
ペアガラス:2枚のガラスの間に空気層があり、単板よりは結露しにくいが、断熱層が薄いと発生しやすい。
トリプルガラス:空気層が2層あるため断熱性が高く、結露はかなり起こりにくい。
Low-Eガラス:特殊金属膜で熱の出入りを抑えるため結露しにくいが、室内の湿度が高いと発生することもある。
真空ガラス:ガラス間が真空状態で熱をほとんど通さず、最も結露しにくい。

ガラス面はペアガラス以上にすることで結露が大きく軽減されます。トリプルガラスは重量が増えるので取り付けには強度の確認が必要です。金属膜(Low-E)や空気層をガスに変えることで断熱性をグレードアップすることができます。

放置すると生じるリスク

結露は見た目に不快なだけでなく、住宅や健康に深刻な影響を与えることがあります。
・カビの発生:水滴で湿ったカーテンや壁紙に黒カビが繁殖しやすくなる
・ダニの温床:カビを餌にするダニが増え、アレルギーや喘息のリスクを高める
・木材の劣化:サッシ枠や床材が濡れ続けると、腐朽やシロアリ被害の原因となる
・健康被害:カビ・ダニ由来のアレルギー症状、気管支炎など
特に家族に小さなお子さんや高齢者がいる場合は、結露を「掃除で済ませる問題」と軽視せず、早めの対策が大切です。

 

今すぐできるサッシ結露の応急対策

室内環境を改善する方法

サッシ結露対策の第一歩は、室内の「湿度」と「空気の流れ」を整えることです。

サッシ結露の応急対策は、こまめな換気・除湿器の活用・加湿器の置き場所の工夫の3点

換気をこまめに行う
特に調理や入浴後は湿度が一気に上がります。短時間でも窓を開けて空気を入れ替えることで、余分な湿気を外に逃がせます。換気扇を活用するのも効果的です。
除湿機の活用
冬場は加湿しすぎて湿度が60%を超えると結露の原因になります。除湿機を併用して湿度を40〜50%程度に保つと安心です。
加湿器の置き場所を工夫する
乾燥対策で加湿器を使う際は、窓際に置くと結露を助長します。部屋の中央や壁から離れた位置に置き、湿度が偏らないようにしましょう。

窓まわりでできる小さな工夫

市販のグッズやDIYでできる応急的な結露対策もあります。

サッシ結露対策として窓周りでできる工夫は、断熱シートを貼る・隙間テープで冷気を遮断・断熱カーテンの3点

断熱シートを貼る
窓ガラスに透明の断熱シートを貼ることで、外気との温度差を和らげ結露を軽減できます。施工も簡単で、賃貸住宅でも利用しやすい方法です。
隙間テープで冷気を遮断
サッシのわずかな隙間から入る冷気を防ぐことで、窓際の温度低下を抑えられます。すきま風対策と同時に結露抑制にもつながります。
厚手のカーテンや断熱カーテンライナー
窓際の冷気を室内に伝えにくくする方法です。ただし、カーテンが結露で濡れる場合はカビの温床になるため、定期的な洗濯や乾燥が必要です。

応急対策の限界を理解する

これらの工夫は「今すぐできる結露軽減法」として有効ですが、あくまで一時的な対処です。

見た目や耐久性の問題:断熱シートは数年で劣化し、曇りやはがれが目立つようになります。
手間がかかる:こまめな換気や拭き取りが必要で、生活習慣に依存するため継続が難しい場合があります。
根本改善には至らない:サッシやガラス自体の性能が低ければ、結露の発生は完全には防げません。

つまり、応急対策は「今の冬を乗り切る方法」としては有効ですが、長期的には内窓の設置などの窓の断熱リフォームといった根本改善を検討する必要があります。

 

サッシ結露を根本から解決する方法

結露対策にはガラスとサッシ両方の対策が重要です。どちらかだけでは結露対策が不十分な場合もあるので、内窓設置や外窓交換がオススメです。

内窓(二重窓)の設置

内窓設置で底冷え軽減

内窓設置は、既存の窓の内側にもう一枚窓を取り付ける方法です。
内窓の性能はLow-E複層ガラスに樹脂サッシがベターで、外の冷気を抑えてくれます。また、既存の窓と内窓との間に密閉された空間(空気層)ができるのがポイント。この空気層がさらなる断熱効果を生み、室内の湿度の影響から既存の窓を守ってくれるので、既存の窓が単板ガラスやアルミサッシだとしても結露防止に大きな効果があります。

内窓(二重窓)設置

◆主な効果
・既存の窓の内側にもう1枚サッシを取り付けることで、空気層による断熱・防音効果を得られる。
・外の冷気や熱気を遮り、冬の結露軽減・夏の冷房効率向上に効果的。
防音性能も高く、交通量の多い道路沿いでも静かに過ごせる

◆費用と工期の目安
費用
:1窓あたり約5〜20万円(サイズやガラス性能により変動)
工期:1〜2時間程度で施工可能(大規模な工事を伴わないため、戸建て・マンション問わず導入しやすい)
短期間で効果が実感でき、補助金の対象にもなりやすいのが大きなメリットです。

◆注意点
・換気や掃除のために内外の2つの窓を開ける必要がある。
・既存の窓が開き窓などの場合、開閉スペースが狭くなる。

外窓交換

外窓交換は、「今の使い勝手をあまり変えたくない」「内窓が取付けられない」といった場合に、既存の窓ごと交換ができます。
サッシ・ガラス両方の性能を上げて結露から守ることができ、用途や予算に合わせてカバー工法やハツリ工法などいくつか種類があります。

■ カバー工法
外窓交換-カバー工法既存のサッシの上から新しいサッシを取り付け、新しい断熱性の高い窓に交換します。

■ ハツリ工法
外窓交換-ハツリ工法壁を壊して窓を入れ替えます。

◆主な効果
・既存サッシごと新しい断熱サッシに交換し、断熱・気密・防音性能を根本から改善できる。
・特にアルミ→樹脂サッシや複層ガラスへの交換で、結露防止・省エネ効果が大きい
・外観の印象も変わり、住宅全体の性能向上リフォームとして効果的。

◆費用と工期の目安
費用
:1窓あたり約5〜30万円(サイズやガラス性能により変動。別途、外壁の解体や復旧費が必要な場合がある。)
工期:半日~数日で施工可能(外壁補修が必要な場合がある。)

◆注意点
・カバー工法では既存枠を残すため、開口がやや小さくなる
・はつり工法は工期とコストがかかるが、断熱性能は最も高い
・外壁や内装の補修が必要になる場合があり、周囲との仕上げ調整が重要。

【比較表】内窓設置・外窓交換

項目 内窓(二重窓) 外窓交換
工事内容 既存窓の内側に新しい窓を追加 既存の窓を取り外し、高性能窓に交換
費用目安 5〜20万円/窓 5〜30万円/窓 ※
工期 1〜2時間程度 半日〜数日(外壁補修が必要な場合あり)
効果 高い断熱・遮音効果、結露防止 断熱・遮音・防犯性能が高く、窓枠から刷新
向いている住宅 短期間・低コストで改善したい場合 窓枠の劣化が進んでいる住宅や、全面リフォームを行う場合

※費用目安は、材料費+施工費となります。
※「外窓交換」では、別途、外壁の解体や復旧が必要な場合があります。


冒頭の説明の通り、結露というのは温度差と湿度の関係によって発生する自然現象です。
家全体のバランスを考え断熱性の弱点となる部分から対策を取る事が重要です。

 

サッシ結露対策を検討する際の注意点

施工前に確認しておくべきこと

結露対策をリフォームで行う前に、いくつか事前に確認しておくべきポイントがあります。準備を怠ると「思った効果が出なかった」「予算をオーバーしてしまった」という失敗につながりやすいため注意が必要です。

サッシや窓枠の劣化状況
内窓を設置するにしても、既存サッシが大きく歪んでいたり腐食している場合は効果が限定的になります。劣化が激しいと外窓交換を検討する必要もあります。
予算と優先順位
窓すべてを同時に改修するのが理想ですが、費用面を考慮すると「結露がひどい部屋から」「家族が長時間過ごす部屋から」といった優先順位を決めることが現実的です。

これらを整理してから業者に相談すると、無駄のない施工計画が立てやすくなります。

よくある失敗と回避策

結露対策は多くの人が関心を持つテーマですが、間違った選択をしてしまうケースも少なくありません。代表的な失敗例と、その回避策を整理します。

DIYだけで解決しようとする
断熱シートや吸水テープは一時的な効果しかなく、数年で劣化します。見た目の問題や掃除の手間も増えるため、あくまで「応急策」と割り切ることが必要です。
ガラス交換のみでサッシの結露が悪化する
既存アルミサッシのまま断熱ガラスに交換した結果、弱点となるサッシの結露がより大きくなった、といった事が起こります。結露対策にはガラスとサッシ両方の対策が重要です。
費用や工期を事前に把握しない
補助金を活用すれば費用を抑えられる場合もありますが、申請のタイミングを逃すと自己負担が増えます。工期も「数時間で終わる工事」から「数日かかるもの」まで幅があるため、生活への影響も事前に確認しておきましょう。

こうした注意点を理解しておけば、結露対策リフォームの効果を最大限に引き出し、失敗を防ぐことができます。

 

次の一歩を踏み出すために

専門家に相談するメリット

結露は「窓が原因」と思われがちですが、実際には通気の状態、生活習慣など複数の要因が絡んでいます。そのため、市販のグッズや自己判断だけで根本原因を特定するのは難しいのが実情です。

専門家に相談することで得られるメリットは大きく、例えば次のような点が挙げられます。
断熱欠損の発見:窓はもちろん、床下や天井などの住まい手が目視できない部分の断熱材の状態を調査できる
最適な施工プランの提案:窓リフォームだけで十分なのか、断熱材補強を組み合わせるべきか、住宅ごとに異なる最適解を提示してくれる
施工品質の担保:断熱と気密のバランスを考慮した正しい工法で施工することで、結露対策の効果を長期的に維持できる

「とりあえず内窓をつければいい」といった一律の判断ではなく、家の状態に合わせたプランを検討することが、後悔しない結露対策につながります。

【補助金活用】実質負担額のイメージ

約35坪の住宅で内窓設置をした場合の、工事費用・補助金・実質負担額がどのくらいになるか見てみましょう。

松本市「住まいのゼロカーボン推進補助金」補助金シミュレーション

工事費 補助金
1階の窓
掃き出し2、腰高6
81万円 29.8万円
2階の窓
腰高9
57万円 25.2万円
総工事費 138万円
合計補助金額 55万円
実質負担額 83万円

※内窓の仕様:Low-E複層ガラス、樹脂サッシ

総工事費138万円。補助金55万円を差し引き、実質負担額は83万円となります。
補助金を上手に活用すれば、「高いから無理」と諦めていた工事も現実的な選択肢になります。結露を防ぎながら快適で省エネな住まいを実現する大きな助けになるでしょう。

補助金を活用する際の注意点

ただし、補助金にはいくつかの注意点があります。

  • 補助金制度には申請期限や対象製品、施工業者の登録要件があるため、事前に確認が必要です。
  • 予算枠が埋まると受付終了になるケースもあるため、早めの検討が望まれます。

このように、補助金を上手に利用することで、断熱リフォームはより現実的で負担の少ない投資になります。費用面で迷っている方ほど、まずは利用できる制度を調べ、信頼できる業者に相談してみるのがおすすめです。

長野県の断熱リフォームは、株式会社テオリアランバーテックにお任せ下さい

サッシ結露の悩みをお持ちの方、まずは「話だけ聞いてみたい」という方にも安心してご利用いただけます。
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執筆者

Ikeda
寒さは苦手な夏生まれ女子。断熱・シロアリ・エクステリアを勉強中。
自身も新築の際には、断熱性・防音性などに惚れ込み、断熱材「セルロースファイバー」を選択しました。
ふわふわかわいい「セルロースファイバー」の情報、寒い住宅の原因や対策などなど・・・体もお財布も温める情報を発信していきます!

 

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