【長野県】セルロースファイバーで非破壊断熱

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【長野県】セルロースファイバーで非破壊断熱

吹付け断熱ってなに?|性能から注意点までプロが解説
「吹き付け断熱」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。近年、注文住宅やリフォームの現場で採用が増えている断熱工法のひとつで、建物の性能を大きく左右する重要な技術です。
一方で、「吹付けってウレタン?安全なの?」「他の断熱方法と何が違うの?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、そんな「吹き付け断熱」の仕組みや種類、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。

そもそも「吹き付け断熱」とは?

引用:写真AC

吹き付け断熱の基本的な仕組み

吹き付け断熱とは、液状または繊維状の断熱材を、現場で直接「壁」「屋根」「天井」などに吹き付けて断熱層を形成する工法です。工場でつくられた板状やマット状の断熱材をはめ込む「充填断熱」とは異なり、建物の形状に合わせてその場で施工できるのが特徴です。

吹き付ける際に膨らんだり、繊維が絡み合って定着することで、構造体に密着。すき間ができにくく、断熱・気密の性能が安定しやすいという利点があります。

他の断熱工法との違い

たとえばグラスウールやロックウールなどの「マット状断熱材」は、間柱(まばしら)の間にカットして詰めるため、施工者の技量によってムラやすき間が生じる場合もあります。一方、吹き付け断熱は、液体や繊維を空気圧で吹き出すため、構造体の細かい隙間までしっかりと密着。結果として、気密性(C値)を高めやすく、冷暖房効率を上げることができます。

吹き付け断熱の主な種類と特徴

吹き付け断熱には、使用する材料によって大きく2種類あります。

発泡ウレタン系(現場発泡タイプ)

引用:USA Insulation社(アメリカ)

現場で液体状の原料を混合し、吹き付けと同時に化学反応によって膨らむタイプ。構造体に密着し、すき間を埋めながら固化するため、高い気密性を実現できます。短期間で広い面積を施工できるため、新築住宅で広く採用されています。

ただし、発泡の過程で化学物質(イソシアネートなど)を使用するため、環境面や安全性について懸念を持つ方もいます。また、施工後の修正が難しく、リフォームには不向きな面もあります。

機材接続全体図(引用:株式会社日本衛星センター)


ウレタン発砲機(引用:株式会社日本衛星センター)

発泡ウレタン系吹き付け断熱の種類と特徴

発泡ウレタン系吹き付け断熱の主な分類と特徴
分類 主な呼称・タイプ 発泡構造 特徴・用途 注意点
① 硬質ウレタンフォーム(現場発泡) 吹き付け硬質ウレタンフォーム(スプレー式) 独立気泡(気泡が閉じた構造) 高い断熱性能(熱伝導率 0.024〜0.034 W/mK)。気密性に優れる。主に新築住宅の壁・屋根に採用。 可燃性があり、紫外線・湿気に弱い。施工精度によりムラが出る。
② 半硬質ウレタンフォーム 吹き付け軟質タイプ(半硬質) 半独立気泡(柔軟性あり) 膨張率が高く、細部まで密着しやすい。軽量。小規模住宅や部分施工に向く。 断熱性能は硬質よりやや劣る(0.035〜0.040 W/mK)。経年変形のリスク。
③ 開放セルフォーム(オープンセル) 現場発泡オープンセルフォーム 開放気泡構造(空気が通る) 柔らかく軽量。吸音性が高い。内部で湿気を吸収しにくいため壁内結露対策しやすい。 吸水性が高く防湿層の設計が必要。外張りには不向き。
④ 閉鎖セルフォーム(クローズドセル) 現場発泡クローズドセルフォーム 閉鎖気泡構造 最も高い断熱性能。耐水性・強度が高く、外壁・屋根下地・床下にも使用。 硬くて補修しにくい。原料に発泡剤(HFOなど)を使用。
⑤ 発泡ウレタンボード(プレカット) ウレタンボード断熱材(工場製) 閉鎖気泡 工場で一定品質に成形。吹き付けではなく貼り付けだが、同系統。 現場吹付けより気密処理に手間がかかる。

【用語解説】
・独立気泡(閉鎖セル):気泡が一つひとつ閉じており、空気が動かない構造。断熱性能が高く、耐水性も良い。
・開放気泡(開放セル):気泡同士がつながっており、柔軟で音を吸収しやすいが、水を含みやすい。

国内では「アクアフォーム」「フォームライト」「ウレタンエース」「アイシネン」などのブランドが該当します。それぞれが「開放セル系」または「閉鎖セル系」に分類されます。

 

注意すべきポイント

  • 原料や発泡剤に含まれる化学物質(イソシアネート・HFO等)は施工中にVOCを発生するため、適切な換気と安全管理が必要。
  • 断熱性能よりも重要なのは施工精度と密実性の確保。ムラや浮きがあると性能が大幅に低下します。
  • 長期安定性(収縮・剥離・変色)の評価は製品ごとに異なり、メーカー選定も重要です。

代表的な発泡ウレタン断熱材とその分類

 
製品名 製造・販売会社 気泡構造 分類 特徴・用途
アクアフォーム
(AQUA FORM)
株式会社日本アクア 開放セル(オープンセル) 半硬質ウレタンフォーム 吸音性・柔軟性が高く、壁や屋根に隙間なく充填可能。結露対策には防湿層設計が必要。主に住宅の内断熱に使用。
フォームライト
(FORMLIGHT)
日本パフテム株式会社 開放セル(オープンセル) 半硬質ウレタンフォーム 軽量で柔軟性があり、リフォームや複雑形状の断熱に適する。音の吸収性が高く、住宅の天井・間仕切りにも使用。
ウレタンエース
(URETHANE ACE)
ダウ化工株式会社 閉鎖セル(クローズドセル) 硬質ウレタンフォーム 高断熱・高耐水性能を持ち、外壁・屋根・床など幅広く対応。断熱性能 λ=0.024W/mK 程度。高気密住宅に多く採用。
アイシネン
(ICYNENE)
HBS(カナダ)/日本代理店各社 開放セル(オープンセル) 半硬質〜開放セル系 柔らかく軽量、吸音性・気密性に優れる。水発泡タイプで環境負荷が少ない。北米基準の高性能ウレタンとして評価が高い。
分類 主な該当製品 特徴
開放セル(オープンセル)系 アクアフォーム、フォームライト、アイシネン 柔らかく吸音性が高い。内断熱に向く。防湿層の設計が必要。
閉鎖セル(クローズドセル)系 ウレタンエース、ダルトフォーム、サーマックス 等 高い断熱・耐水性能を持ち、外壁・屋根・床に使用される。硬く重いが耐久性が高い。

これらの製品はいずれも「発泡ウレタン系吹き付け断熱」のカテゴリーに属しますが、開放セルか閉鎖セルかによって特性・施工部位・価格帯が大きく異なります。目的に応じた選定が重要です。

繊維系(セルロースファイバーなど)

引用:Energy Seal社(オーストラリア)

古紙(新聞紙など)を主原料とした自然素材系の断熱材で、リサイクル資源を有効活用してつくられます。繊維系吹き付け断熱は、このセルロースファイバーを水や天然由来の接着成分(でんぷん糊など)と一緒に専用機械で吹き付け、壁面に密着させて施工します。細かな繊維が絡み合って面をつくることで、すき間のない断熱層を形成し、安定した断熱性能を発揮します。

発泡ウレタンのように化学反応で膨らむタイプではないため、経年変化が少なく、安定性が高いのも特徴です。また、素材そのものが持つ調湿性能により、室内の湿気を吸収・放出しながらバランスを取ります。壁内結露を抑えることで、カビや木材腐朽のリスクを低減し、住まいを長持ちさせる効果も期待できます。

ただし、吹き付け施工後は十分に乾燥させてから次の工程(石膏ボード張りなど)へ進むことが重要です。乾燥が不十分なまま壁をふさいでしまうと、内部に水分が残り、壁内結露や断熱性能の低下を招くおそれがあります。施工時には湿度や乾燥時間の管理がポイントになります。

引用:Energy Seal社(オーストラリア)

さらに、セルロースファイバーの繊維の絡み合い構造が音の振動を吸収するため、防音・遮音性能にも優れています。生活音や外部の交通音をやわらげ、静かな住環境をつくる効果があります。

原料には化学樹脂や発泡剤を使用せず、ホウ酸(ホウ素系鉱物)を微量添加することで防虫・防カビ性を付与しています。このホウ酸は、歯磨き粉や目薬にも使われる安全性の高い成分で、人体への悪影響がほとんどありません。

また、施工後に嫌な化学臭が残ることもなく、施工時のVOC(揮発性有機化合物)発生も非常に少ないため、小さな子どもやペットのいる家庭、シックハウス対策を重視する方にも安心して選ばれています。

地球環境の観点から見ても、セルロースファイバーは製造エネルギーが少なく、CO₂排出量を大幅に抑えられるエコ素材です。再生資源を使いながら住宅の省エネ性能を高める、「環境にも人にもやさしい断熱材」として注目が高まっています。

吹き付け断熱のメリット

すき間ができにくく断熱性能が安定する

吹き付け断熱の最大の特徴は、構造の形状に合わせて現場で施工できるため、すき間や空気層が生じにくいという点です。壁・天井・床などの複雑な構造部分にも断熱材がしっかり密着し、途切れのない断熱層を形成します。これにより、冷たい外気や暖気の漏れを防ぎ、建物全体の断熱性能が均一に保たれます。

特に木造住宅では、柱や間柱、電気配線・配管まわりなど、細かな凹凸が多いため、板状やマット状の断熱材ではどうしても小さなすき間ができがちです。吹き付け断熱ならそのような部分にも隙間なく充填できるため、熱の出入りを最小限に抑え、季節を問わず快適な室温を維持しやすくなります。

また、気密性が高まることで、暖房や冷房の効率も向上し、光熱費の削減にもつながります。性能面だけでなく、ランニングコストの面でもメリットが大きい断熱工法といえます。

構造が複雑な場所にも対応できる

吹き付け断熱は、梁・勾配天井・吹き抜け・屋根裏など施工しづらい箇所にも柔軟に対応できる点が優れています。発泡ウレタンやセルロースファイバーなどの材料をホースで吹き付けるため、細かい角や曲面にも均一に密着させることが可能です。

デザイン性を重視した住宅では、天井の形状や窓の配置が複雑になる傾向がありますが、吹き付け工法ならそうした設計にも柔軟に対応できます。また、リノベーションや増改築など、構造にばらつきがある建物にも施工しやすく、既存の構造を生かした断熱改修がしやすいのも大きな魅力です。

断熱と気密を同時に確保できる

吹き付け断熱では、断熱材そのものが構造体に直接密着するため、断熱と気密を同時に確保できるというメリットがあります。通常のマット状断熱材では、断熱層の外側に別途「気密シート」を施工して空気の流れを止める必要がありますが、吹き付け断熱ではこの工程を省くことができ、施工の確実性と効率が向上します。

気密性能が高まると、冬は暖気が逃げにくく、夏は外気の熱が侵入しにくくなるため、エアコンの効きが良くなり省エネ効果が高まります。また、すき間風や温度ムラが減ることで、家の中のどの部屋でも快適な温度を維持しやすくなります。とくに寒冷地では、気密性の高さが快適性と光熱費に直結します。

セルロースファイバーなら調湿・防音効果も期待できる

発泡ウレタンなどの気密性に加え、繊維系(セルロースファイバー)による吹き付け断熱では、さらに自然素材ならではの快適性能を得られます。セルロースファイバーは紙の繊維そのものが湿気を吸収・放出する性質を持ち、壁内の湿度を一定に保つ調湿機能を発揮します。これにより、湿気の多い梅雨や寒暖差の激しい冬場でも、壁内結露の発生を抑え、カビや木材腐朽を防ぎます。

また、繊維が音の振動を吸収するため、優れた防音・吸音効果も得られます。外部の車の騒音や雨音を和らげ、室内の生活音も外へ漏れにくくなるため、住まい全体が静かで落ち着いた空間になります。これは発泡ウレタン系にはない特性で、自然素材ならではの「呼吸する断熱」として住み心地の良さを高めます。

環境にも人にもやさしい素材でありながら、断熱・調湿・防音の3つの性能を同時に発揮するのが、セルロースファイバーによる吹き付け断熱の大きな魅力です。

吹き付け断熱のデメリット・注意点

一度施工すると撤去や再施工が難しい

床下で発泡ウレタンを撤去している様子

吹き付け断熱は、断熱材が現場で発泡・固化し、構造体の表面に密着して一体化するのが特徴です。そのため、後から取り外したり再施工したりするのが非常に困難です。特に発泡ウレタン系の場合、木材や下地に強く付着しているため、撤去時には断熱材だけでなく下地材まで削り取る必要があり、手間と費用が大きくかかるケースもあります。

また、リフォームで配線や配管を交換する際、壁の内部に施工されている吹き付け断熱材が障害となることがあります。部分的な補修や設備の入れ替えを想定している場合は、将来のメンテナンス性も考慮し、該当箇所には他の断熱工法を併用するといった計画的な設計が求められます。

さらに注意したいのが、シロアリ(白蟻)への対応です。
発泡ウレタン系の吹き付け断熱は、木材の表面を完全に覆ってしまうため、シロアリの被害が外部から見えにくくなるという懸念があります。床下や壁内で食害が進行しても、断熱材の下に隠れてしまい、発見が遅れるケースが実際に報告されています。

また、床下にウレタンが厚く吹かれていると、防蟻処理(薬剤散布)や再施工ができない場合もあります。シロアリ防除を後から行う際には、断熱材を部分的に除去しなければならず、結果的に費用や手間が増えることになります。

床下発泡ウレタンと蟻道(シロアリの通り道)

したがって、吹き付け断熱を採用する際には、

  • 施工前にしっかりと防蟻処理を済ませること

  • 床下や基礎まわりに点検スペースを確保すること

  • 防蟻性の高い素材(セルロースファイバーなど)を検討すること

といった対策が重要です。

吹き付け断熱を取り入れるなら、断熱性能だけでなく「点検・維持・防蟻」の観点も含めた長期的な住まいの維持計画を立てておくことが安心につながります。

材料によっては化学物質やガス発生の懸念も

発泡ウレタン系の吹き付け断熱では、施工時に液状の原料を混合して化学反応を起こすため、揮発性有機化合物(VOC)や反応ガスが一時的に発生することがあります。作業中に適切な換気や保護具の使用が行われていないと、室内ににおいや刺激を感じる場合があります。

現在は環境対応型の「低VOC製品」「水発泡タイプ」なども普及していますが、それでも施工時の環境管理は欠かせません。信頼できる施工業者であれば、施工中の換気や乾燥時間の管理、使用材料の安全性についてきちんと説明してくれるはずです。施工体制の透明性と安全管理を確認してから依頼するようにしましょう。

なお、セルロースファイバーなどの自然素材系断熱材では化学物質の懸念がほとんどなく、施工時のにおいも少ないため、シックハウス対策を重視する家庭にも適しています。

湿気や結露対策を誤ると性能が低下することも

吹き付け断熱は気密性が高い反面、壁内に湿気がこもりやすいという側面もあります。外気と室内の温度差が大きい住宅では、湿気が壁内部で冷やされて結露(内部結露)を起こすことがあり、断熱材や木材の性能低下・腐朽・カビの原因となることがあります。

そのため、断熱材を選ぶ際には、防湿層(気密シート)・通気層の設計が非常に重要です。特に発泡ウレタン系では湿気を通しにくい構造のため、通気計画を誤ると内部に水分が閉じ込められてしまうことがあります。一方、セルロースファイバーのような繊維系断熱材は調湿性を備えており、ある程度湿気を逃がすことができますが、それでも施工後の乾燥管理を怠ると性能を損なう場合があります。

吹き付け断熱の性能を長く保つには、断熱だけでなく「湿気をどう逃がすか」まで含めた建物設計が欠かせません。

施工品質によって性能差が出やすい

吹き付け断熱は、職人の技術・現場環境・機械設定によって仕上がりが大きく左右される工法です。例えば、発泡ウレタン系では混合比率や吹き付け圧力が少しでもずれると、発泡ムラ・密着不良・厚み不足などの不具合が発生することがあります。施工時の温度・湿度管理が不十分な場合も、硬化不良や性能低下につながります。

また、見た目がきれいでも、施工厚さが設計値に満たない、あるいは構造体の裏側に空洞が残っていると、断熱性能は大きく落ちてしまいます。つまり、どんなに良い断熱材を使っても、施工品質が確保されていなければ本来の性能を発揮できません。

施工品質を見極めるためには、過去の施工実績や第三者による品質検査(例:気密測定や施工写真記録など)を行っているかを確認すると安心です。信頼できる施工会社ほど、「見えない部分の品質管理」を重視しています。

吹き付け断熱は、正しく設計・管理・施工すれば非常に優れた断熱性能を発揮しますが、同時に「精度の高い施工技術と計画性」が求められる工法です。メリットだけでなく、こうした注意点も理解した上で、施工会社と十分に相談しながら採用を検討しましょう。

吹き付け断熱と「吹き込み断熱」は何が違うの?

「吹き付け」と似た言葉に「吹き込み」があります。どちらも空気圧を使って断熱材を施工しますが、方法や仕上がりは異なります。

吹き付け断熱と吹き込み断熱の比較
比較項目 吹き付け断熱 吹き込み断熱
施工方法 壁や天井の表面に直接吹き付ける 壁や天井の中空部に詰め込む
主な材料 発泡ウレタン、湿式セルロースなど 乾式セルロース、グラスウールなど
適した用途 新築時の壁・屋根 天井裏やリフォーム時の壁内
特徴 高い密着性・気密性 高い調湿性・防音性・再施工性

セルロースファイバーは、湿式(吹き付け)と乾式(吹き込み)の両方に対応できる素材です。新築でもリフォームでも対応できる柔軟性は、繊維系断熱材ならではの魅力といえます。

吹き付け断熱の施工費用と相場

費用は使用する材料の種類・施工面積・厚み・地域単価・施工難易度によって変動します。ここでは延床約30坪(≒100㎡)の標準的な木造住宅を想定した、市場実勢ベースの目安を示します。

材料別・おおよその総額目安(30坪住宅想定)
材料・工法 目安価格帯 補足
発泡ウレタン系(現場吹き付け) 約80〜120万円 開放セル/閉鎖セル、厚み(50〜100mm)、地域単価で上下。㎡単価の目安はおおむね5,000〜8,000円/㎡前後。
価格参考元:日本ウレタン工業協会・加盟各社の施工参考価格、ハウスメーカー・工務店公開価格例、建築情報サイト
セルロースファイバー(湿式吹き付け) 約100〜150万円 乾燥工程・材料費の影響でウレタンより10〜30%高めになりやすい。㎡単価の目安は6,500〜9,000円/㎡前後。
価格参考元:日本セルロースファイバー工業会・加盟各社公表価格
部分施工(例:天井のみ・一部壁) 約30〜50万円 施工範囲20〜60㎡程度を想定。下地状況・養生範囲で増減。
価格参考元:一般的な吹付面積単価 × 施工範囲(20〜60㎡)で算出。

計算の考え方(面積と単価)

  • 断熱の実施工面積(壁・屋根・天井の合計)は、延床面積の約2.0〜2.7倍を目安に概算されることが多い。
  • 上記の総額は、実施工面積×㎡単価(材料+施工)で概算。厚み・面積・難易度により調整。

省エネ・回収効果の目安

吹き付け断熱による断熱・気密性能の向上で、冷暖房負荷を15〜25%程度削減できるケースがあります。一般的な戸建ての年間光熱費で約2〜4万円の削減が見込め、長期の省エネで初期費用の一部〜大半を回収できる可能性があります(住宅規模・気候・住まい方により変動)。

注記

  • 表示の価格は材料+施工の概算。解体・復旧・内装・足場などは別途となる場合があります。
  • 湿式セルロースは十分な乾燥時間の確保が必要で、工程調整によりコストが変動します。
  • 補助金・減税を活用できる地域もあり、実負担は軽減できる場合があります。

どんな家に吹き付け断熱が向いている?

  • 高気密・高断熱住宅を建てたい新築住宅
  • 寒冷地・高原地帯など、外気温差が大きい地域
  • デザイン性の高い勾配天井・吹き抜けのある住宅
  • 天井裏や床下の断熱を見直したい既存住宅

吹き付け断熱は「断熱性+気密性」を高めたい建物に特に効果的です。一方で、壁を開けないリフォームでは「吹き込み工法」など他の方法を組み合わせることで対応できます。

断熱材は“素材”より“暮らし方”で選ぶ

吹き付け断熱には、発泡系・繊維系それぞれに特長があります。どちらが優れているというよりも、建物の構造・地域の気候・暮らし方に合った方法を選ぶことが大切です。

もし「自分の家にはどの方法が合うのか分からない」という場合は、断熱施工の専門会社に相談し、家の構造やライフスタイルに合った最適な提案を受けるのが一番の近道です。

「吹き付け断熱」それは単なる工法の違いではなく、住まいの快適性を支える“見えない性能”を高めるための選択です。

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