こんにちは。セルロースファイバー断熱材施工専門店のヤナギサワです。
南北に広い長野県ですが、地域によって冬は北海道なみに暑く、夏は30℃を超える猛暑日も珍しくない寒暖差の激しいエリアです。そのため一年を通して健康で快適に生活するためには家の断熱性能の向上が重要です。そこで本記事では、長野県に注目した断熱等性能等級別セルロースファイバー断熱材の施工基準について紹介します。
断熱等性能等級とは
断熱等性能等級とは、住宅の断熱性能と省エネ性能をランク付けする制度です。外壁や開口部の断熱性能を示す「外皮平均熱貫流率(UA値/ユーエーチ)」と「平均日射熱取得率(ηAC値/イータエーシー値)」を示す指標で、等級が高いほど断熱性が高くなります。断熱性能が高いほど、冬は暖かく、夏は涼しい快適な住まいになります。また、省エネ性能が高いほど、エアコンや暖房などの電気代を節約できます。
断熱等性能等級は、2023年現在では等級2~7に分類されます。2025年には等級4が最低基準になり、ZHE(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準が一般的になることが想定されます。断熱材の種類や厚み、密度は断熱等性能等級を考えるうえで外せない重要な指標となります。
断熱等性能等級別の施工基準
長野県の地域区分と断熱等性能等級
長野県は、気候や地域によって3つの地域区分に分けられています。地域区分によって必要な断熱性能が異なるため、断熱等性能等級も地域区分によって決定されます。
地域区分2:高地の地域、積雪が多く冬期の気温が低い地域
地域区分3:標高が低く、積雪が少なく冬期の気温が比較的高い地域
地域区分4:南信州地域、長野県の南部に位置し、積雪が少ない地域
詳しくは以下の市町村に分類されます。
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セルロースファイバー断熱材とは
セルロースファイバー断熱材は、環境に優しい素材として注目されています。再生紙を原料としており、生分解性が高いため、廃棄物処理の問題が少なく、CO2の排出量も削減することができます。また、保温性能に優れているため、冬場の暖房費の節約にもつながります。さらに、防音効果もあるため、住宅内の騒音を軽減することができます。空気を含む繊維構造が断熱性能を高めるだけでなく、調湿性能や防虫性能もあります。
断熱等級別セルロースファイバー断熱材の施工基準
セルロースファイバー断熱材で施工する場合の天井、壁、床の厚みと密度は以下の表のようになります。
断熱等性能等級 | 断熱部位 | 厚み(mm) | 密度(kg/㎥) |
等級4 | 天井 | 200 | 25 |
壁 | 100 | 50 | |
床 | 100 | 50 | |
等級5 | 天井 | 250 | 25 |
壁 | 150 | 50 | |
床 | 150 | 50 | |
等級6 | 天井 | 300 | 25 |
壁 | 200 | 50 | |
床 | 200 | 50 | |
等級7 | 天井 | 350 | 25 |
壁 | 250 | 50 | |
床 | 250 | 50 |
ただし、窓の仕様によっては上記の限りではありません。
まとめ
以上、長野県版の断熱等性能等級別セルロースファイバー断熱材の施工基準についてご紹介しました。断熱材の適切な選定と施工により、快適な住環境の実現だけでなく、省エネやCO2削減にも貢献できます。また、地域区分や施工箇所によって適切な厚みや密度が異なることもご理解いただけたかと思います。これらの情報を参考に、より良い住環境の実現に向けて取り組んでいただければ幸いです。