【長野県】セルロースファイバーで非破壊断熱

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【長野県】セルロースファイバーで非破壊断熱

断熱×防音×防犯!窓リフォームで叶える快適・安心な住まい

執筆者

Yanagisawa Naoki
気密測定技能者・しろあり防除士・WEB解析士
2007年に日本でセルロースファイバー断熱工事のパイオニアであった、有限会社信濃ビケン(長野市)に入社。セルロースファイバーの施工職人として従事。2012年に株式会社テオリアランバーテックに統合され、入社から10年以上で約2000棟以上のセルロースファイバー断熱工事や気密測定の経験を経て、現在は断熱・気密に関する正しい情報を発信するため活動している。

窓リフォームとは何か?

築20年、30年と歴史を刻んだ家に住んでいると、「冬は厚着が当たり前」「暖房費が高いのも仕方ない」と諦めてしまいがちです。
ですが、その“当たり前”は決して宿命ではありません。住まいの快適性を下げている真犯人は、実は壁や床ではなくです。
住宅の熱損失を解析すると、暖房中に逃げていく熱量の約5割が窓から漏れ出ているというデータがあります。
ガラス1枚の性能が家全体の温度・湿度・静けさ、さらには防犯性まで左右していると聞くと、少し大げさに感じるかもしれません。
しかし暖かい空気も冷たい外気も最初に通り抜ける「境界面」が窓である以上、性能差は暮らしの質に直結します。

そこで注目されているのが窓リフォームという改善策です。
ひとことで言えば、従来のアルミ単板窓を、樹脂フレームとLow-E複層*1、あるいはトリプルガラスといった高断熱仕様に置き換える工事。新築の大がかりな断熱改修とは異なり、工法によっては外壁を剥がさず、室内のクロスも張り替えずに済む点が大きな特徴です。
たとえば掃き出し窓2カ所の外窓交換なら、朝8時から始めて夕方には完了。古い枠を残したまま内側にもう1本サッシを入れる「内窓方式」であれば、1窓あたり施工時間は30分程度とさらに手軽です。
それでいてU値*2は6.5→1.3W/㎡Kへ、遮音等級*3はT-1→T-3へ、防犯性能はこじ破り5分耐久へと、一気に住宅スペックが底上げされます。
*1 Low-E(ローイー)は “Low Emissivity=低放射” の略で、ガラス面に金属膜をコーティングして赤外線の放射(熱の出入り)を抑える技術を指します。これにより冬は室内の暖かさを逃がさず、夏は外の熱を通しにくくする高断熱ガラスが実現します。
*2 U値(熱貫流率)は、窓や壁1㎡あたりを1℃の温度差で1時間にどれだけ熱が通り抜けるかを示す指標で、単位はW/㎡K。数値が小さいほど断熱性能が高い。窓から逃げる熱は住宅全体の大部分を占めるため、U値を下げれば冬は暖房が効きやすく結露も減り、夏は冷房負荷が軽減されて光熱費の削減につながります。

*3 遮音等級とは、住宅用サッシや建具が 「外から入ってくる音をどれだけ小さくできるか」 を示す指標です。JIS(日本工業規格)では T-1、T-2、T-3、T-4 の4段階があり、数字が大きいほど静かになります。

寒冷地で導入が進んだ背景には、冬の暖房コストが年間10万円単位で削減できる即効性がありました。
最近では関東以西の温暖地域でも「夏の冷房効率と防音」を目的に採用が拡大。
さらに国の「先進的窓リノベ事業」が1戸最大200万円を補助するなど支援策も追い風となり、窓リフォームは“限られた地域のニッチ”から“全国共通のスタンダード”へと成長しつつあります。

窓リフォームの基本的なプロセス

窓リフォームと聞くと「何から手を付ければいいのか分からない」「工事は大ごとになりそう」と構えてしまいがちですが、実際は“診断→目標設定→製品選び→補助金チェック→施工”という5つのステップを順序よく踏むだけで、戸惑う場面はほとんどありません。
ここからは、それぞれの段階で何を確認し、どんな判断を下せばスムーズに理想の窓へたどり着けるのかを具体的に見ていきましょう。

STEP 1 現状調査
既存サッシの寸法を測り、枠のゆがみや結露・カビの跡をチェックします。同時に方位ごとの日射量や周辺騒音も確認し、問題点を洗い出します。

STEP 2 性能目標の設定
「断熱等級5が欲しい」「遮音はT-4等級まで上げたい」など、家族の優先順位を決めます。目標を具体的にすると、後の製品選びがスムーズです。

STEP 3 工法と製品の選定
内窓設置・外窓交換・ガラス交換を組み合わせ、目標達成に最も効率的なプランを作成。ここでサッシ色やガラス仕様、ハンドル形状など細部も決めておくと追加費用を防げます。

STEP 4 補助金の確認と申請準備
先進的窓リノベ事業や子育グリーン住宅支援事業など、利用できる制度を判定。対象となる場合は見積書や図面を揃えて申請書類を作成します。

STEP 5 施工当日の流れ(内窓設置の場合)
養生▶枠清掃▶ふかし枠取付▶内窓枠固定▶気密パッキン・シール。1窓15〜30分、20窓でも約1日半で完了します。

既存窓との違い

築20年以上の戸建てに多いアルミ単板窓の熱貫流率(U値)は6.5W/㎡K前後。一方、樹脂フレームのトリプルLow-Eであれば1.0W/㎡Kを切る製品も珍しくありません。
熱損失はおよそ6分の1
さらに樹脂は熱伝導率がアルミの1000分の1以下なので、室内側フレームが冷えにくく結露が激減します。
遮音性能は単板の20〜25dBに対し、複層+気密パッキンで35〜40dBへ向上。防犯面でもこじ破りに5分以上耐えるCP認定ガラス*1が選べるなど、性能差は歴然です。
*1 CP認定ガラスは、警察庁・国交省などが所管する「防犯性能の高い建物部品」(通称 CP マーク)に合格した防犯合わせガラスです。ハンマーやバールで5分以上こじ破りに耐える性能が試験で確認されており、窓からの侵入を遅らせる効果が公的に保証されています。

窓リフォーム ― 6つの代表的な工法

1. ガラス交換

既存サッシ枠はそのまま、単板ガラスだけをLow-E複層やトリプルガラス、真空ガラスに差し替えます。
室内外の仕上げを傷めず1枚30分ほどで完了。
枠の気密性が低いと効果も限定的なので、結露や日射を局所的に改善したい場合に向いています。

2. 内窓(インナーサッシ/二重窓)

既存窓の室内側に樹脂フレームの新サッシを追加し、窓間の空気層で熱と音を遮断。
1窓15〜30分と手軽なのに断熱・遮音・防犯の底上げ効果は大きく、補助金単価も高い“コスパ王”。
外観が変わらないのでマンションでも採用しやすい工法です。

3. 外窓交換〈カバー工法〉

古い枠を残したまま新しい枠で覆う方式。
外壁とクロスに触れずに外観を一新できます。
多点ロックと新パッキンで気密を作り直すため断熱・遮音とも1ランク上へ。
掃き出し窓2カ所で半日程度と工期も短めです。

4. 外窓交換〈はつり工法〉

既存枠を壁際で切り欠きながら外して新枠を取り付ける“はつり(削り取り)”バージョン。かぶせタイプより開口寸法のロスが少なく、熱橋も残りません。
壁際の補修が必要なぶん費用と時間はやや増えますが、カバー工法の中では最も性能アップが見込めます。

5. フルサッシ交換

外壁を広めに解体し、枠ごと新品へ総入れ替えする最も本格的な方法。
熱橋ゼロで耐震補強も兼ねられますが、外装補修費が上乗せされるためコストは高め。
外壁張り替えや大規模改修と同時に行うと足場を共有でき効率的です。

6. 遮熱フィルム貼り

既存ガラスに遮熱・UV カットフィルムを貼るだけ。
夏の日射熱と紫外線を抑え家具の日焼けを防止しますが、冬の断熱効果はほぼありません。
補助金対象外で耐用年数は10年ほど、ピンポイントで暑さを和らげたいときに便利です。

工法 断熱・遮音の総合効果 費用目安 工期目安 特徴・適したシーン
ガラス交換 ★★☆☆☆ 3〜5万円 約30分 結露・西日を局所改善
内窓(インナーサッシ) ★★★★☆ 5〜7万円 30〜40分 外観そのまま高性能化、補助金◎
外窓交換〈カバー工法〉 ★★★★☆ 10〜13万円 半日 外壁・クロス無傷で枠一新
外窓交換〈はつり工法〉 ★★★★☆+ 12〜16万円 半〜1日 枠ごと入替、熱橋ほぼゼロ
フルサッシ交換 ★★★★★ 15〜20万円 1日 外壁改修と同時、大幅性能UP
遮熱フィルム貼り ★☆☆☆☆ 1.5〜2万円 20〜30分 低コストで夏の遮熱とUV対策

リフォーム会社の選び方

価格だけで業者を選ぶと、気密処理の不足や防水シールの不備で結局やり直しになることも。
チェックポイントは3つ。
①「窓リノベ補助金登録事業者」かどうか。
②「断熱等級5以上の実績」。
③「保証とアフター」。
見積もり時は、枠納まり図とサッシ重量、ガラス仕様が記載されているかも念入りに確認しましょう。

リフォームにかかる費用と選択肢

費用は工法と窓サイズで大きく変わります。
たとえば腰窓(幅1690×高1170mm)の場合、内窓設置なら5〜7万円、外窓交換は10〜13万円、ガラス交換は3〜5万円が目安。
補助金を活用すれば最大で工事費50%相当が戻るため、内窓4箇所の設置総額24万円が実質12万円程度に圧縮されるケースも。
予算と目的に合わせ、複数案を比較することが肝要です。

断熱・防音効果が生む窓リフォームのメリット

窓を変えるだけで、冬の冷え込みや夏の暑さ、さらには騒音ストレスまで一気に軽減できる、そんな“魔法”のような変化を体験したオーナーは少なくありません。
さて、具体的な効果をひとつずつ掘り下げてみましょう。

省エネ効果と光熱費の削減

信州エリアのシミュレーションでは、延床30坪・築25年のアルミ単板窓住宅を例に取ると、窓の性能グレードによって暖房負荷が次のように変わります。

窓仕様 フレーム/ガラス 年間暖房負荷 年間光熱費(エアコン28円/kWh想定)
既存:アルミ+単板 U値6.5W/㎡K*1 5200kWh 15万円
改修①:樹脂+ダブルLow-E複層 U値1.7W/㎡K 3000kWh 9万円
改修②:樹脂+トリプルLow-E複層 U値1.3W/㎡K 2200kWh 6万円
  • ダブルLow-Eへ置き換えるだけでも年間6000kWh*2→3000kWh相当のエネルギーを削減し、光熱費は約6万円ダウン。
    *2 kWh(キロワットアワー)は、1kW(1000ワット)の電力を1時間使ったときの電力量を表す単位です。つまり「電気をどれだけ使ったか」を示す指標で、電気料金の計算にも用いられます。

  • さらにトリプルLow-Eにすると暖房負荷は既存比で約60%削減、光熱費は9万円から6万円へ圧縮できます。

10年スパンで計算すると──

  • ダブル仕様:光熱費削減累計は約60万円

  • トリプル仕様:削減累計は約90万円

補助金(先進的窓リノベ事業)を併用すれば初期投資の3割~5割が戻るため、ダブルなら実質5〜6年、トリプルでも7〜8年で元が取れる試算です。冷房期の負荷低減や結露防止、遮音性の向上を加味すると、トリプルの投資回収はさらに早まるケースも珍しくありません。

音漏れの減少による快適な生活環境

アルミ単板窓の遮音等級はT-1。
およそ20dBしか音をカットできません。
そのため深夜のアイドリング音や近隣の生活音が、壁をすり抜けるように室内へ入ってきます。
人間の聴覚は10dB差で「音量が半分になった」と感じるため、20dB削減では静けさを体感しにくいのが実情です。
そこで採用したいのが樹脂サッシ+12mm合わせガラス。5mmガラス+中間膜+5mmガラスを組み合わせた構造で、遮音等級はT-3相当、低減量は35dB超えを狙えます。たとえば外部騒音が60dBの国道沿いでも、室内に届く音は25dB前後。
これは「木の葉がそよぐレベル」と同等で、睡眠を妨げない静けさとされています。
さらに近年は、2枚のガラスの間に特殊な「制振中間膜」を挟んで音の振動を吸収・減衰させる性能を持たせたアコースティックラミガラスが登場し、同じ厚みでも追加で1.5〜2dBの遮音アップが可能です。

とはいえガラスを替えるだけでは不十分。
わずか1mmの隙間でも20dB以上の漏洩が起こるため、樹脂フレームと多点締まり金具で気密ラインを完全に封じることが不可欠です。
加えてサッシ周囲の壁体が振動を伝える「固体伝播音*1」を防ぐため、周囲に高比重の遮音シートを巻き込み、石こうボードを二重張りする施工も効果的。これによりピアノの生演奏やリモート会議の声漏れまで大幅にカットできます。
こうした複合対策を講じれば、都市部のマンションリノベでも隣室の生活音を気にせず映画鑑賞に没頭できる空間が実現します。
睡眠の質が向上し、ストレスが減り、結果的に日中の集中力や家族のコミュニケーションも向上する。
遮音性能を高めた窓リフォームは、暮らし全体のクオリティを底上げする投資と言えるでしょう。
*1 固体伝播音(こたいでんぱおん)は、空気ではなく壁・床・柱などの「固体」を振動させて伝わる音で、足音や配管の響きなどが代表例です。

住む人の健康と快適性の向上をもたらす高性能窓

結露とカビが健康を蝕むメカニズム

冬の朝、レースカーテンの向こうにびっしりと付いた水滴を見てため息をつく、そんな光景は窓表面温度が10℃を下回ることで起きる「表面結露」が原因です。
冷えたガラス面で水蒸気が急激に冷やされ露点を超えると、微細な水膜が広がります。
この湿った環境こそ、カビ胞子やダニの繁殖温床
胞子はわずか2〜5µmと非常に軽く、空気に乗って気道に入り込み、気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎を引き起こしやすくなります。
国立成育医療研究センターの調査でも、寝室に結露が見られる家庭は、そうでない家庭よりぜんそく発症率が約1.4倍高いと報告されました。

表面温度15℃が生む「結露ゼロ」効果

樹脂サッシとLow-E複層ガラスを組み合わせた高性能窓なら、外気温0℃の日でも室内側表面温度を15℃以上にキープできます。
この境目になる数値や条件を超えると結露の発生確率は理論上ほぼゼロ。
湿度60%でも水滴が付着しにくく、カビの繁殖サイクルを根本から断ち切れます。
さらに、ダニは湿度55%未満では活動が鈍化するため、ハウスダスト由来の皮膚炎やくしゃみ・鼻水などの症状も劇的に減少します。

良質な睡眠を支える温熱環境

就寝時の理想室温は18〜22℃とされます。
断熱性の低い住宅では夜間に寝室が14℃以下に下がりがちで、体が冷えたまま布団に入ると入眠潜時が長くなります。
高性能窓は放射冷却を抑え、壁際でも温度ムラを2℃以内に抑制。
布団に入ってから深い眠りへ移行する時間を短縮します。
ノンレム睡眠がしっかり取れると成長ホルモン(成人では細胞修復ホルモン)が多く分泌され、肌荒れや疲労回復にも好影響が期待できます。

ヒートショックと血圧変動のリスク低減

夜間に体温と同時に血圧が低下し、明け方に寒さで交感神経が刺激されると血圧が急上昇しヒートショックを招きやすくなります。
断熱窓で寝起きの室温低下幅を5℃以内に抑えられれば、血管への瞬間的な負担が減り、心筋梗塞や脳卒中のリスク低減につながります。
北海道大学の追跡研究では、断熱等級4以上の住戸に住む高齢者は等級2以下の住戸と比べて循環器疾患の通院率が約25%低いというデータが示されています。

冷え性・肩こり・肌トラブルの改善

筋肉は冷えると収縮し血流が悪化、乳酸などの疲労物質が滞留します。
窓の表面温度が高い空間では輻射冷却が起こりにくく、体感温度が実測値+2℃程度高く感じられるため暖房設定を上げすぎずに血行促進を図れます。
適切な湿度と温度の維持は乾燥肌やアトピーの症状緩和にも寄与し、肌バリア機能の回復を助けると皮膚科医も指摘しています。

精神的ストレスと自律神経への好影響

結露掃除に追われる手間がなくなり、カビ臭とも無縁になると帰宅時に感じる「どんより感」が一掃されます。
温度・湿度・空気質が安定した住宅は自律神経のバランスを整え、イライラや集中力低下を防ぎます。
リモートワークが増えた今、住環境の質は仕事のパフォーマンスにも直結するため、窓リフォームは“身体と心の生産性”を同時に高める投資と言えるでしょう。

健康寿命を延ばし医療費を抑える長期投資

厚生労働省統計によると、高齢者が要介護状態になる主因の約3割は「運動器障害」「循環器系疾患」
室温安定はこの2大リスクに同時アプローチできます。
結果として医療費や通院負担を抑え、家族全体のQOL*1を底上げする効果が期待できるのです。
高性能窓は掛け捨てではなく“戻ってくる健康保険”のような存在。
光熱費の節約をはるかに超えるリターンが将来の暮らしに大きな安心をもたらしてくれます。
*1 QOL(Quality of Life)は「生活の質」を表す言葉で、健康・快適さ・満足度などを含めた暮らし全体の豊かさを示します。

防犯性能を高める窓リフォーム

強化ガラスと防犯ラミガラス──「破られにくさ」を数値で証明


出典:住まいる防犯110番(警視庁)

空き巣の約5割以上が窓から(無施錠、ガラス破りなど)侵入するデータがあります。
強化ガラスは通常フロートガラスの3〜5倍の曲げ強度を持ち、万一割れても粒状に砕けるため、大きな刃状片が飛散せずケガを防止できます。破壊テストでは180gの鋼球を1mの高さから落としても貫通せず、割れても保持される性能を示します。

さらに防犯性能を高めたいなら合わせガラス+防犯特殊フィルムによる「防犯ラミガラス」を選択します。2枚のガラスの間にPVB中間膜と厚さ0.76mm以上の防犯フィルムをラミネートした仕様では、ハンマーやバールで5分以上叩き続けても穴が開かない試験結果が公的機関で確認済み。
侵入犯の8割は1〜2分で諦めるという統計があり、格段に心理的ハードルが上がります。
CPマーク(防犯建物部品)を取得したサッシを選べば、破壊・こじ破り・焼き破りの3条件をクリアしているため保険会社の評価も高まります。

窓鍵・補助ロック・スマートセンサー──「開けさせない」多層防御

引用:BBSS株式会社/【+Style】スマートセンサー[PS-SDW-W02]

ガラスを破っても鍵を開けられなければ侵入は成立しません。
標準クレセントに加えて補助ロック(サブロック)を上下2カ所に取り付けると、解錠にもう2工程かかるため時間的コストを大幅に増やせます。

近年は窓枠に組み込む多点締まり金具が主流で、ハンドル1回転で4〜6箇所を同時ロック。
こじ開けに必要な力が単点ロックの約2倍となり、ドライバー1本では対応できません。

さらに内窓を設置して二重窓にすれば、外窓を割られても内窓の鍵を破らない限り侵入は不可能。
遮音・断熱効果に加え、防犯面でも高いメリットがあります。

最後はスマートセンサー。マグネット開閉センサーを窓枠に貼り、Wi-FiやBLEでスマホに連動させれば、外出先でも「窓が開いた」通知を受け取れます。
開閉履歴がクラウドに残るため異常検知の精度も向上。
補助ロック+センサーの組み合わせで人的・電子的な多層防御を構築できます。
※BLEとは Bluetooth Low Energy(ブルートゥース・ロー・エナジー) の略で、消費電力を抑えたBluetooth通信方式のことです。

防犯フィルムの寿命と貼り替えサイクル

外貼りの防犯フィルムは「貫通に2分以上」というJIS規格を満たす製品が普及していますが、紫外線で劣化し10年を過ぎると粘着力が低下します。
フィルムが硬化すると割れたガラス片を保持しにくくなるため、定期的な貼り替えが推奨されます。貼り替え費用は腰窓1枚あたり1.5万〜2万円が目安。
フィルム単体よりも、防犯ラミガラスを最初から採用する方が長期的にはメンテナンスの手間を抑えられます。

防犯性が高い窓タイプとシャッターの活用

引用:LIXIL 住宅用窓シャッター

縦すべり出し窓高所FIX窓は開口幅が小さく人が体を通しにくい構造上、侵入口になりにくい形状です。

一方、掃き出し窓や腰窓など大開口部は格子付きシャッター一体サッシが有効。
最近はリモコン式やスマホ連動の電動タイプが増え、外出後でも「閉め忘れ」をチェックして遠隔操作できます。
アルミ格子に比べて美観を損なわず、夜間の不審者接近を遮光・遮音と同時にブロックするため、家族の心理的安心感が格段に向上します。

防犯リフォームの経済的メリット

損害保険会社の統計では、防犯ガラス+補助ロックを導入した住宅は盗難保険の割引率が最大15%
年間保険料3万円なら4500円の節約です。

加えて、空き巣被害後の修理費や精神的ストレスを考えれば、防犯投資は家計防衛策として極めて合理的。
先進的窓リノベ事業では、防犯性能向上を伴う窓交換でも補助対象になるため、初期コストを半額程度に圧縮できるケースがあります。

「侵入に5分以上かかる家」は狙われにくい

警察庁のデータによれば、侵入窃盗犯の約70%は「開錠・破壊に5分以上かかれば諦める」と回答しています。
窓ガラス破壊→クレセント解錠→室内侵入という一連のプロセスのいずれか1工程でも5分を超えれば、犯行リスクは急激に下がるというわけです。

強化ガラス+防犯フィルム、多点ロック、シャッター、スマートセンサー、1つ1つは小さな対策でも、レイヤーを重ねることで「5分の壁」を築けます。
窓リフォームは単なる断熱や意匠の更新にとどまらず、家族の安全と安心を守る最前線のセキュリティ工事として位置づける価値があるのです。

資産価値を高める窓リフォームの理由

不動産価値へのプラス効果

国土交通省の試算では、断熱等級4から5へ性能が向上した木造2階建ての査定額が平均80万円アップすると報告されています。査定の現場では「外壁・屋根は塗替えでごまかせても、窓性能は嘘をつかない」と表現されるほど、高性能窓は“差別化パーツ”として買い手の印象に残ります。

窓リフォームが評価額に反映されるポイントは主に3つです。
省エネ基準適合…来年度から中古住宅の省エネ性能表示が義務化される見通しで、断熱窓は「適合証明」を取得しやすく、金融機関のグリーン融資対象になり金利優遇が受けられます。
維持保全計画…樹脂サッシは塩害・凍害による劣化が少なく、ライフサイクルコストまで評価する鑑定士に高く買われます。
市場トレンド…日本不動産研究所の意識調査でも「光熱費が安い住宅に追加予算を払う」と回答した買主は72%。断熱窓はその“省エネの見える化”を担う部材なのです。

売却時にアピールポイントとなる要素

不動産ポータルの内部データによると、広告タイトルに「樹脂サッシ」「Low-E複層ガラス
先進的窓リノベ補助金対象工事済」と記載した物件は、同エリアの平均より閲覧数が1.4倍、反響メール数は1.6倍となりました。

買主がクリックしやすい理由は明快です。
年間光熱費シミュレーションを添付できるので、維持費を数字で把握できる。
・補助金対象工事済=工事保証が残っていると推測でき、心理的リスクが小さい。

実務上はエネルギー計算ソフトで作成した「5年間の光熱費比較グラフ」「室温測定ログ」を、内見時にタブレットで提示すると成約率がさらにアップします。

賃貸物件としての魅力向上

賃貸住宅の退去理由ランキングで上位に挙がるのが「冬に寒い」「エアコン代が高い」という不満。
室温が15℃を下回る期間が長い物件は、更新率がおよそ15%低下するという調査もあります。

先進的窓リノベ事業
法人オーナー契約でも1戸あたり最大200万円補助されるため、築古アパートの再生戦略としては「キッチン交換より費用対効果が高い」と評価されています。
改修後の実績では、
・空室期間4.2か月→1.1か月
・平均賃料3%アップ
・光熱費込みプランを導入した場合、オーナー負担光熱費25%削減など、キャッシュフロー改善と入居者満足度向上を同時に実現できました。
【出典】
国交省スマートウェルネス住宅等推進事業2000戸調査(2022)
LIXIL公式サイト導入事例『築30年アパートを内窓で省エネ改修』(2024)

経年劣化との関係

アルミサッシは紫外線や酸性雨でガスケットが硬化し、20年を超えると気密性能が新築時の50%以下に低下します。
気密が落ちると
・隙間風→暖房効率悪化→光熱費増
・室内側フレーム結露→下枠木部腐朽→シロアリ誘引
といった「負の連鎖」が発生。

対して樹脂サッシは熱伸縮率が低く、ガスケットも紫外線耐性の高いEPDM素材が主流。
適切なグリスアップを行えば30年以上状態を保てるため、長期修繕計画のコストを抑えられます。
早めに交換することで「小さな修繕を重ねるより遥かに安かった」という声も多く、結果的に資産価値維持にかかるトータルコストが縮小します。

窓リフォームは“売れる家・貸せる家”へのパスポート

省エネ義務化、市場のエコ志向、補助金後押し今後10年は住宅性能を明示しない中古物件が厳しい評価を受ける時代です。
高性能窓は建物価値を「盛る」装飾ではなく、資産を守るための基礎投資
売却・賃貸・相続、どの出口戦略でも確実に回収できるリターンが期待できます。

窓リフォームから広がるリフォームの視野

天井・壁・床の断熱リフォーム

天井──セルロースファイバー吹込み工法(非破壊で施工可能)

天井にセルロースファイバー断熱材を施工する様子

既存の点検口からブロワーでセルロースファイバーを屋根裏全体に吹き込むだけなので、天井板をめくる必要がなく非破壊で施工可能です。
断熱層は厚み300mmまで一気に充填でき、熱抵抗値R7.5相当を確保。
木質繊維の多孔質構造が余剰湿気を吸放湿するため夏は屋根面の蓄熱を緩和し、冬は暖房熱を逃がしません。

セルロースファイバーはホウ酸処理済みで防火・防虫性能を備え、細かな隙間にも入り込むので気流止め効果が高いのが特徴。
天井面の表面温度が+4~6℃向上し、ヒートショックの危険ゾーンである脱衣室上部の冷気滞留を抑制できます。

外壁──SW(スーパーウォール)外張りパネルで“魔法瓶”化(既存外壁を壊さない非破壊施工)

引用:LIXIL様HP

SW外張りリフォームパネルは、硬質ウレタンフォーム(熱伝導率λ=0.026W/mK前後)をOSBでサンドイッチした高性能SIP(Structural Insulated Panel)です。既存外壁を撤去せず、その上から直接ビスで固定できるため、住みながら短工期で断熱・気密・耐震性を底上げできます。
使用するSW外張りパネルは構造用OSB合板で構成されており、LIXILの構造試験により壁倍率2.5倍を取得済み。
耐震性と断熱性を同時に底上げできる仕様です。

施工は、外壁面を清掃したうえで厚さ42〜60mmのパネルを留め付け、目地を専用気密テープで連続気密。
その後、透湿防水シートと通気胴縁を重ね、新しいサイディングや左官仕上げで外観を刷新。
こうした一連の工程を足場があるあいだに一気に進めるため、30坪の外壁でも4〜5日の短工期で完了します。

厚さ60mm仕様のパネルで外壁に付加断熱を施すと、その断熱性能は約2.2m²・K/Wに相当します。
これを既存の壁内の充填断熱と組み合わせることで、住宅全体のUA値は0.1〜0.15W/㎡Kほど改善されます。たとえば、もともとUA値が0.7の住宅であれば、0.55〜0.6程度にまで引き下げることが可能です。

この性能水準は、4地域(長野市・松本市など)での断熱等級5(UA値0.6以下)を安定してクリアできる現実的な目標といえます。
ただし、外壁の断熱強化だけでは等級5には届かないケースも多く、“窓・屋根・床”もセットで見直すことが鍵となります。

たとえば、

  • 窓を樹脂フレーム+Low-E複層ガラスに交換すれば、熱の流出入が最も多い部分を大幅に改善。

  • 小屋裏にセルロースファイバーを200mm以上吹き込むことで、屋根面からの放熱を防ぎます。

  • 床下にはセルロースファイバーを120〜150mm充填することで、底冷えを抑え、体感温度が+2℃向上したという実測データも。

こうした部位ごとの断熱性能を段階的に底上げすることで、外壁付加断熱の効果を住宅全体に広げることができ、等級5というラインが「数字だけでなく、暮らしの実感として快適になる」水準として意味を持ってきます。
断熱性能を正しく高めるには、一部だけを強化するのではなく、建物全体の熱の流れをコントロールする“トータル設計”が重要です。

また、外装リニューアルと同時に断熱工事を行えば、足場やサイディングの費用を1回でまとめられるため、トータルコストを抑える点でも非常に合理的です。

床──セルロースファイバーブローイング(非破壊で施工可能)

床下点検口から潜行し、根太間もしくは大引き間にセルロースファイバーを吹き込む工法です。
既存床を剥がさない非破壊施工なので、入居したまま1日で完了するケースが大半。
床下で配管を避けつつ充填でき、厚さ120〜150mmでR3.7を確保。
木質繊維特有の吸音性により、1階床面で発生する生活音や外からの走行音をやわらげ、足元からの冷え込み(冷放射)も緩和されます。

屋根・壁・床を一括で断熱強化すると、住宅全体のUA値がワンランク改善し、暖房費の削減効果が一気に高まります。信州健康ゼロエネ住宅助成金〈健康省エネリフォーム〉では、これら三部位を同時に施工した場合に最大50万円の補助が受けられるため、全体の費用負担が圧縮され、数年単位で投資回収が早まるケースも少なくありません
家全体の断熱性能を底上げしたい方には、費用対効果の高い選択肢といえるでしょう。

次世代の暮らしに向けて、わが家をいま整える意味

2030年以降、新しく建つ家は太陽光発電などで「自分が使うエネルギーの大半をまかなえる水準」(いわゆるZEH)が最低標準になる見通しです。これから先は、どれだけ暖冷房のムダを抑えられるかが暮らしの安心材料になります。
とはいえ“終の棲家”として住み続ける多くの方にとって大切なのは、将来売れるかどうかより「冬にヒヤッとしない」「光熱費にヒヤッとしない」日々の快適さです。そこでおすすめなのが、まず窓を樹脂サッシ+トリプルガラスに替えて断熱等級5を確保すること。家の中で熱が逃げる場所の大半が窓なので、ここを押さえるだけで室温ムラがグッと減ります。

次に外壁の上から薄い断熱パネルを重ね、屋根裏や床下にもセルロースファイバーを追加して等級6に近づける。
二段階で包み込むと、寒冷地でもUA値0.46W/㎡K前後まで下がり、外が氷点下でも居間や寝室が18℃を切りにくくなります。
夜中にトイレへ行くとき「足元が冷えて目が覚める」あのストレスが小さくなるイメージです。

光熱費の面でもプラスです。暖房が中心の信州で試算すると、窓と外壁を強化した家は、従来のままより灯油・電気代が年間で2〜3割下がるケースが少なくありません。
もし将来、二酸化炭素に課税がかかる時代が来ても、エネルギーを使わない家なら家計への負担は最小限で済みます。

こうした改修を行った履歴を残しておけば、子ども世代が家を引き継ぐときにも「性能がはっきりわかる安心な家」として評価されやすくなりますが、それはおまけの話。
何よりこの先もずっと自分たちが気持ちよく、安心して住み続けられる
そのための備えが断熱と気密の底上げです。段階的に進めれば工事の負担も分散できます。
寒さや光熱費に悩む今こそ、未来の暮らし方に合った住まいへ育てていくチャンスと言えるでしょう。


まずは無料の内窓設置シミュレーションから

ここまで読んで「自宅ならどのくらいのコストで、どれほど暖かくなるのか具体的に知りたい」と感じた方も多いはずです。当社では長野県全域を対象に無料の内窓プラン診断を実施中。窓枠サイズを計測するだけで概算見積と補助金適用額、をお伝えします。もちろん無理な営業はいたしません。お気軽にお声かけください。

大切なわが家を「寒さを我慢する場所」から「からだも心も休まる場所」へ。
窓はその第一歩にして、最も手応えを感じやすいパーツです。
たった一枚のガラスを替えるだけで、朝の「うっ…寒い」が「おはよう」に変わり、光熱費や結露の悩み、そして防犯の不安まで同時に軽くなります。

もしこの記事を読んで「うちも何とかしたい」と思われたら、まずは今の窓をじっくり眺めてみてください。
結露の跡、フレームの冷え、室外の音。
気になるサインが一つでも見つかったら、それがリフォームを考える合図です。補助金や無料診断を上手に使いながら、できるところから少しずつ。
ストーブの前に家族が集まらなくても家じゅうぽかぽか。そんな暮らしのお手伝いをいたします。

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