若い人も注意!ヒートショック対策と予防法 公開日:2025年4月22日/更新日:2025年11月25日 監修者斎木 守 住宅省エネアドバイザー/第二種電気工事士/しろあり防除士 三重県出身。学生時代は長野県で農業・畜産を学び、地域のコミュニティ活動にも積極的に参加。寒さには人一倍敏感で、自身も松本市で築30年の木造住宅に暮らし、経験を踏まえて長野県の断熱性能向上を支援しています。YouTube「テオリアチャンネル」でも活躍中。新築・リフォームを含め、これまでに1,800棟以上の断熱工事に携わっています。 「ヒートショック」と聞くと、多くの方は「高齢者がなるもの」と考えるかもしれません。しかし実際には、20~40代といった若い世代でも、”生活習慣+住まいの寒暖差”が重なると、誰にでも起こり得る現象です。 本記事では、 ・なぜ若年層でもヒートショックが起こるのか? ・どのような生活シーンに注意が必要か? ・今日から実践できる予防法と、根本的な原因を解消するための住まいの見直し ・無料でできる住まいの断熱診断のご案内 まで、専門的な知見と事例を交えながら、わかりやすくご紹介していきます。 「自分や家族は大丈夫?」と感じた方は、ぜひ最後までご覧ください。 ご自身やご家族の健康を守るために、今できることから一緒に考えていきましょう。 目次 Toggle 若い人でも起こるヒートショックとはヒートショックのしくみよくある初期症状起こりやすい場所なぜ若い人でもヒートショックが起きるのか過度なダイエット・脱水不規則な生活(深夜入浴・夜更かし)在宅ワークでの血行不良飲酒・サウナ後の急冷住宅の断熱不足(部屋間の寒暖差)ヒートショックによる死亡事故の実態冬季・入浴時に事故が集中住宅の断熱性能(温度差)と事故リスク高齢者だけではない、若年層の死亡例も報告こんなサインは要注意(セルフチェック)行動サイン環境サイン体調サイン今日からできる対策(生活習慣)入浴前のポイント入浴中のポイント入浴後のポイント日常でのポイント断熱リフォームで根本解決ピンポイント断熱(脱衣所・トイレ)内窓設置(窓断熱)浴室リフォーム(断熱浴槽・ユニットバス化)フル断熱(床・壁・天井)断熱改善のビフォーアフター例一時的な対策との違いヒートショックが起きた際の緊急対応方法■軽度の場合(立ちくらみ・めまい・のぼせなど)■重度の場合(意識がない・反応がない・呼吸異常など)住まいの寒さが気になる方は、無料の断熱調査を 若い人でも起こるヒートショックとは 「ヒートショックは高齢者特有の現象」と思っていませんか? たしかに、加齢により血圧調整機能が弱まる高齢者が重症化しやすいのは事実ですが、実際には若い世代でも、寒暖差によってヒートショック症状が出るケースは少なくありません。 ヒートショックのしくみ 暖かい部屋から急に寒い脱衣所・浴室へ移動すると、血管が収縮して血圧が急上昇します。 その後、熱い湯船に浸かると血管が一気に広がり、血圧が急降下。この 乱高下がめまい・立ちくらみ・失神を引き起こします。 よくある初期症状 ヒートショックという言葉にピンと来ない方でも、以下のような経験があれば、すでに軽度のヒートショックを体験している可能性があります。 ・冬場、脱衣所に入るときに「ゾクッ」とする感覚がある ・湯船から出たあと、頭がぼんやりし、のぼせたような感覚に陥る ・寝る前のトイレで、急に立ちくらみを感じることがある これらは、断熱の整っていない住まいと生活習慣が原因であるケースが多く、放っておくと症状が悪化するリスクもあります。 起こりやすい場所 ・脱衣所 ・浴室 ・トイレ ・暖房していない廊下 いずれも「暖かい空間 → 急に寒い空間」に移動する際に発生しやすい傾向があります。 なぜ若い人でもヒートショックが起きるのか 若い人でもヒートショックが起こる背景には、年齢とは関係のない 生活習慣の偏り・自律神経の乱れ・住環境の寒暖差 が複雑に絡み合っています。 「若いから大丈夫」という油断がリスクを見逃し、症状の慢性化を招くケースも少なくありません。 以下では、特に若年層に多い “見落とされやすい5つの要因” を詳しく解説します。 過度なダイエット・脱水 美容目的のダイエットや食事の偏りは、見た目には分からなくても 体温調整と血圧調整に深刻な影響 を与えます。 ●極端なダイエットで起こりやすい変化 ・体温が下がりやすくなる → 体が冷えると血管が縮み、寒い場所で血圧が急上昇しやすくなる ・筋肉量が減り、基礎代謝が落ちる → 冷えやすい体質に変化し、入浴や脱衣所の寒さに弱くなる ・栄養不足による自律神経の乱れ → 血管の収縮・拡張がうまく働かなくなる 特に「糖質オフ」「断食系ダイエット」「1日1食」は、体温維持に必要なエネルギーが不足しやすく、ヒートショック反応が起こりやすい状態になります。 ●水分不足(軽度の脱水)が隠れたリスク 若い人はコーヒー・お茶・エナジードリンクを好む傾向があり、水の摂取量が不足しがちです。 ・血液が濃くなり血圧変動が起きやすい ・入浴後の立ちくらみやめまいが増える ・のぼせ・失神のリスクが上がる 「若いのにお風呂でめまい」という人は、ダイエットと脱水が関係していることも多いのです。 不規則な生活(深夜入浴・夜更かし) 現代の若年層に特に多いのが 夜遅くの入浴・睡眠不足・夜型生活 です。 ●深夜入浴が危険な理由 深夜の浴室は、夕方~夜よりもさらに 室温が低下 しています。 キッチンやリビングは暖かくても、廊下・脱衣所は外気に近いほど冷え込むことも。 ・冷え切った場所に移動 → 血圧が急上昇 ・熱い湯船に入る → 血圧が急降下 この 乱高下が最も起こりやすい時間帯が深夜 なのです。 ●睡眠不足・ストレスが影響する理由 ・自律神経(交感神経・副交感神経)の調節が乱れる ・血管の伸び縮みが鈍くなる ・血圧が不安定になる 夜更かしが続くと、身体は寒暖差に対応しにくくなります。 在宅ワークでの血行不良 若年層に急増している在宅ワークも、ヒートショックの隠れ要因です。 ●長時間同じ姿勢で起こる変化 ・血行不良 ・末端の冷え ・自律神経の緊張 ・体温調整の鈍化 椅子に座りっぱなし、オンライン会議続きの生活は、低温の環境変化に対する反応を遅らせます。 ●寒い部屋での作業はさらに危険 暖房をケチって作業を続けると、体が冷え切った状態で入浴へ向かうことになり、脱衣所や浴室の温度差で血圧が急上昇しやすくなります。 飲酒・サウナ後の急冷 「お風呂ぐらい大丈夫」と思われがちですが、飲酒後やサウナ利用後は危険が高まります。 ●飲酒後の入浴が危険な理由 ・血管が拡張して血圧が不安定 ・判断力が低下してのぼせに気づきにくい ・心拍が不安定になり、失神しやすい 若くても「飲酒後の入浴で倒れる」事故は実際に報告されています。 ●サウナ → 水風呂の急激な冷温ストレス サウナブームにより、20〜30代の事故リスクも増えています。 ・高温で血管が拡張 ・すぐに冷水で急冷 ・血圧が一気に急上昇 ヒートショックそのものではありませんが、同じメカニズム(血圧の乱高下) で体に大きな負荷がかかります。 住宅の断熱不足(部屋間の寒暖差) 住環境は、ヒートショックの“根本原因”のひとつです。 特に日本の住宅は世界的に見ても 部屋間の温度差が大きい構造 で、若年層でも容易にリスクにさらされます。 ●築20年以上の住宅で起こりやすい特徴 ・リビングは暖かいのに、脱衣所・浴室・廊下は外気並みに寒い ・トイレに暖房がなく、冬は息が白くなるほど ・内窓がなく、窓際だけ極端に冷え込む ●なぜ若い人でも危険なのか? 体力がある若い人でも、10℃以上の温度差や冷えた脱衣所から熱い湯船という“急激な温冷交代”を繰り返すと、血圧変動に身体がついていけません。 ●典型的なシーン 暖かいリビング→ 冷えた廊下→ 寒すぎる脱衣所→ 熱い湯船→ 冷えた脱衣所 この一連の流れの中で、血圧は 急上昇 → 急降下 → 再上昇… と乱れ、めまいやのぼせを引き起こします。 ヒートショックによる死亡事故の実態 ヒートショックは「高齢者が起こす軽い立ちくらみ」程度のイメージで語られることがありますが、実際には日本国内で 年間1万9,000人以上が死亡していると推計されている深刻な事故です。これは、交通事故死亡者数(約2,600人/2024年)を大きく上回り、社会問題としても注目されています。 冬季・入浴時に事故が集中 厚生労働省・東京都健康長寿医療センター研究所等の統計によると、日本では冬季の入浴中の死亡者数が 年間約1万9,000人 に上り、その多くがヒートショックに関連するものと考えられています。 特に注意すべきポイントは以下の通りです。 ・入浴中の死亡は「冬季(12〜2月)」に集中 ・特に 脱衣所→浴室の寒暖差が大きい旧耐震・低断熱住宅 で発生しやすい ・医療現場では「溺死・心筋梗塞・脳卒中」と診断されても、背景にヒートショックが潜んでいるケースが多い 死亡例の多くは 急激な血圧変動による心血管事故 が原因とされています。 住宅の断熱性能(温度差)と事故リスク 日本は他国と比較して住宅の断熱性能が低いことが知られています。 国際比較では、冬場の「居室と浴室の温度差」が大きい国ほどヒートショック死亡が多いというデータもあります。 実際の研究では、 ・浴室温度が 10℃未満 の家庭は、入浴事故の発生率が顕著に高い ・脱衣所温度が 15℃を下回る と血圧変動が急激になる ・断熱改修を行った住宅では、ヒートショック関連リスクが大幅に低下する という結果が示されています。 日本の住宅が低断熱な理由として、「脱衣所・トイレ・浴室だけが外気並みに寒い」構造が一般的であることが挙げられ、これが事故リスクの大きな背景となっています。 高齢者だけではない、若年層の死亡例も報告 ヒートショックは高齢者リスクが高いものの、20代〜40代の死亡例も報告されています。 若年層の事故要因としては、 ・疲労・ストレスによる自律神経の乱れ ・過度な飲酒後の入浴 ・深夜の冷えた浴室での入浴 ・持病に気づかないまま入浴してしまう ・サウナ後の急激な温冷交代浴 などが挙げられます。 「若いから大丈夫」という思い込みが、事故を招くケースが少なくありません。 こんなサインは要注意(セルフチェック) ヒートショックは、必ずしも「倒れる」「意識を失う」といった重い症状から始まるわけではありません。 むしろ多くの人が “軽度のサイン” を繰り返しながら、気づかぬうちに危険な状態へ近づいていく と言われています。 もし以下のどれか一つでも当てはまる場合、あなたの身体はすでに「寒暖差ストレス」に反応している可能性があります。 行動サイン 日常生活の動きの中で感じる違和感は、ヒートショックの初期反応として最も気づきやすいポイントです。 ●夜トイレに起きたときにゾクッとする 夜間は体温が低下しているため、急に寒い廊下やトイレへ移動すると、自律神経が慌てて血圧を上げようとします。 この「ゾクッ」という寒気は、血圧上昇と末梢血管の収縮 が同時に起きているサインです。 ●朝、布団から出た瞬間に頭がクラクラする 寝起きは血圧が安定しておらず、寒い部屋に一気に出ることで 脳への血流が一時的に低下 します。 特に冬場に頻発する場合は、部屋の温度差が体調を悪化させている可能性が高いです。 ●冷えた脱衣所で急に鳥肌が立つ 鳥肌は「寒さに身体が過剰反応している」証拠です。 これは筋肉や血管が急激に収縮し、血圧を上げて体温を維持しようとする防御反応で、その反応が強ければ強いほどリスクが高い といえます。 環境サイン 住まいの状態が“危険の予兆”になっているケースも少なくありません。 ●脱衣所だけ極端に寒い ヒートショック事故の多くは「暖かい部屋 → 寒い脱衣所」の移動で起こります。 10℃以上の温度差がある場合、若い人でも血圧が急変しやすくなります。 ●廊下に冷気の流れを感じる 住宅の気密性が不足している場合、廊下・玄関・トイレなどに 外気に近い冷気の通り道 ができます。 この温度差が大きいほど、入浴前後の危険度は高くなります。 ●冬だけ結露・カビが増える 結露やカビは、家のどこかで 急激な冷えが発生している証拠 です。 こうした場所は体感温度が低く、ヒートショックの発生ポイントと一致しやすいのが特徴です。 体調サイン 体が発しているSOSを見逃さないことが何より大切です。 ●入浴後の立ちくらみ 熱い湯船から出た瞬間、血管が広がり血圧が一気に下がることで発生します。 これはヒートショックの典型的な初期症状で、若くても頻発するようなら非常に危険です。 ●朝の頭痛 夜間の低体温 × 朝の寒さによる血圧変動が原因のことがあります。 暖房が効いていない寝室や廊下を通る生活動線が関係しているケースも多いです。 ●手足のしびれ感 血行不良が進んでいるサイン。 末端の血管が急激に縮むため、 温度差のストレスに体が過剰反応している証拠 といえます。 今日からできる対策(生活習慣) ヒートショックのリスクは、日々の行動をほんの少し見直すだけで大きく低減できます。 特に「入浴まわり」は、体温変化が最も急激に起こるタイミングであり、 ここを安全にするだけで事故リスクは劇的に下がる と言われています。 まずは今日の入浴から実践できる、効果的な対策をご紹介します。 入浴前のポイント 入浴は “準備段階でどれだけリスクを減らせるか” が勝負です。 ●食後・飲酒後は避ける 食後は消化のために血液が胃腸に集中し、血圧が変動しやすい状態です。 さらに飲酒後は血管が拡張し、のぼせ・失神のリスクが高まります。 最低でも食後1時間、飲酒後は入浴しないことが原則。 ●脱衣所をあらかじめ暖める ヒートショックは「暖かい部屋 → 寒い脱衣所」の移動で最も起きやすくなります。 小型の電気ヒーターや暖房器具を使い、脱衣所を 最低でも18℃前後 に保つのが理想です。 ※ただし、ヒーターは「消し忘れ防止」も徹底しましょう。 ●入浴前に常温の水をコップ1杯飲む 軽度の脱水は血圧変動を起こしやすく、立ちくらみの大きな原因にもなります。 入浴前の水分補給は医療機関でも推奨される確実な対策 です。 冷たい水よりも常温を選ぶことで、体の負担が軽くなります。 入浴中のポイント 入浴中は「血圧が上がる→下がる」が最も起きやすい時間帯。 ゆっくりと体を慣らしながら入浴することが大切です。 ●湯温は38〜40℃が基本 熱いお湯(42℃以上)は血圧の急変を引き起こします。 「あったかい」と感じる程度のぬるめのお湯が、体への負担を最小限にします。 ●かけ湯で体を慣らす 心臓から遠い 手足 → 腕 → 足 → 背中 の順にかけ湯をし、体を徐々に温めましょう。 急に肩まで浸かると、交感神経が刺激されて血圧が急上昇することがあります。 ●のぼせを感じたら無理をしない 「少しくらい平気」と我慢してしまうと、一気に失神に至るケースもあります。 頭が重い・息苦しい・ぼんやりするなどのサインが出たら すぐに浴槽から出る ことが重要です。 入浴後のポイント 入浴後は「体が急激に冷え、血圧が再び上昇する」時間帯。 この段階でしっかり対策することで、ヒートショックの再発を防ぎます。 ●体をすぐに保温する 湯船から出た瞬間、体表面の熱が一気に奪われます。 タオルで素早く拭き、温かい衣類やバスローブで “一気に冷えさせない” 工夫を。 ●立ち上がりはゆっくり 湯船から立つときは、手すりを使いゆっくり立ち上がりましょう。 血圧が急降下し、失神するケースの多くが 「立ち上がり動作」 のタイミングです。 ●水分を補給する 入浴中に軽い脱水が起きているため、入浴後に コップ1杯の水 を飲むことで血圧の安定に役立ちます。 日常でのポイント “入浴以外” の時間帯でも、ヒートショックのリスクを下げる行動があります。 ●起床前の暖房タイマー 冬の朝は、寝室の温度が最も低くなるタイミング。 暖房のタイマーを使い、起床30分前から部屋を暖めておくことで、寝起き直後の血圧変動を大幅に抑えることができます。 ●靴下・スリッパで足元の冷えを防ぐ 足元が冷えると血管が縮み、体全体も冷えやすくなります。 足裏の冷え対策は、体温維持の基本 と言われています。 ●長時間同じ姿勢を避ける 在宅ワークやスマホ操作で長く同じ姿勢を続けると、血流が滞り、温度変化に対応しにくい体質になります。 1時間に一度は立ち上がったり、軽くストレッチを行うだけでもヒートショックに強い“血管の柔軟性”を保つことができます。 断熱リフォームで根本解決 生活習慣の工夫だけでもヒートショックのリスクは下げられますが、住まいそのものが寒いままでは根本の解決には至りません。 特に長野県のように冬の冷え込みが厳しい地域では、暖房をつけても「脱衣所・浴室・トイレが極端に寒い」という住宅が少なくありません。 ヒートショックの事故は、まさにこの “家の中の温度差” が決定的な要因 になります。 そこで効果を発揮するのが 断熱リフォーム です。 ここでは、必要な場所・予算・施工期間に応じて選べる、4つの代表的な改善方法をご紹介します。 ピンポイント断熱(脱衣所・トイレ) 「家全体のリフォームまでは考えていない」という方でも、“ヒートショックが起こりやすい部分だけ” を重点的に断熱する方法 があります。 ●なぜ脱衣所・トイレだけが寒くなるのか? ・昔の家は水まわりに断熱材が入っていないケースが多い ・増築や間取り変更で、断熱材が途切れている場所がある ・配管スペースがあり壁内の冷気が侵入しやすい 結果として、暖房の効いたリビングとの温度差が10℃以上になることも珍しくありません。 ●ピンポイント断熱のメリット ・短工期(半日〜1日程度)で施工可能 ・コストを抑えつつ、最もヒートショックリスクの高い場所の寒さを大幅改善 ・リフォーム後すぐに体感できるほど温度が変わる 内窓設置(窓断熱) 住まいの中で最も熱が逃げるのは 窓。 冬の熱の約50%が窓から失われると言われています。 ●二重窓(内窓)にすると何が変わるのか? ・外気の影響が大幅に減る ・部屋の暖かさが逃げにくくなる ・ガラス面の冷えによる「ヒヤッ」がなくなる ・結露が減り、カビ・ダニ対策にも効果的 特に脱衣所や浴室近くの窓は、壁よりも先に冷えが伝わるため、内窓を取り付けるだけで 体感温度が2〜4℃上がる ケースも珍しくありません。 ●施工のしやすさも魅力 ・1カ所あたり約30〜60分で取り付け可能 ・外壁工事が不要で、既存の窓の内側に取り付けるだけ ・補助金対象になるケースが多く、コスパが良い 冬の「ヒートショック対策」として最初に取り組みやすい方法です。 浴室リフォーム(断熱浴槽・ユニットバス化) 古いタイル風呂は、冬になると「浴室が外気並みに冷える」という状態になりがちです。 その大きな原因は以下のとおりです。 ●旧式タイル風呂の問題点 ・壁や床に断熱材がほぼ入っていない ・タイルが冷気と熱をそのまま伝えてしまう ・コーキング劣化で隙間風が入り放題 ・浴槽の保温性能が低い これでは、どれだけ暖房しても浴室本体が冷たいままになります。 ●断熱性の高いユニットバスにすると… ・浴室全体が“魔法瓶”のように暖かさを保つ ・浴槽のお湯が冷めにくい ・床がヒヤッとしない ・暖房を使ったときの効率が圧倒的に良くなる 特に長野県のような寒冷地では、ユニットバス化によって「浴室と脱衣所の温度差」が劇的に改善します。 フル断熱(床・壁・天井) 家の中の温度差を根本からなくすためには、お家全体の床・壁・天井に断熱材を補強する“フル断熱”が最も効果的です。 ●全体断熱のメリット ・家全体の温度が安定する ・ヒートショックリスクが大幅に減る ・朝の冷え込みが緩和され、生活の質が上がる ・暖房効率が飛躍的に向上(光熱費の削減) さらに、断熱材によっては防音・防湿にも効果があり、住まいの「性能そのもの」が長期的に向上します。 ●特に効果が出やすい部分 ・床下(底冷えの解消) ・天井(暖かい空気が逃げる最大ポイント) ・北側の外壁(冷気が最も伝わりやすい) 築年数の経った住宅ほど、施工後の体感温度の変化が大きく感じられます。 断熱改善のビフォーアフター例 断熱施工の効果は数値にも表れます。たとえば、内窓設置と断熱補強を同時に行った住宅では、以下のような温度改善が見られています。 室内空間 改修前の平均温度(冬) 改修後の平均温度(冬) 脱衣所 約12℃ 約18〜20℃ 浴室 約13℃ 約20℃ この「+6〜7℃の差」が、ヒートショックのリスクを大幅に減らす鍵になります。 脱衣所と浴室の温度差が小さくなるだけで、血圧の乱高下が起きにくくなり、入浴時の安全性と快適性が飛躍的に向上します。 一時的な対策との違い 対策手段 効果の持続性 ヒートショック予防への有効性 デメリット 電気ヒーターやカーボン暖房 一時的に暖かくなる 限定的(空間全体は温まりにくい) 消し忘れリスク・光熱費が高い 断熱リフォーム(内窓設置・断熱材追加) 長期的に効果が続く 室温を安定させ、根本的に予防 初期費用がかかる 「とりあえず寒さをしのぐ」のではなく、「寒さそのものをなくす」ための対策が必要です。 断熱リフォームは「体を冷やさない」ための設備投資であり、健康寿命を守るための住まいの見直しでもあります。 特に高性能断熱材や高性能内窓を活用したリフォームは、短期間で施工可能かつ、住まいの温度バランスを飛躍的に改善できる手段として注目されています。もし、あなたが一時的な対策で不足を感じているなら、断熱リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。 ▼おすすめの記事 【必見】断熱材の種類徹底比較&選び方完全ガイド ヒートショックが起きた際の緊急対応方法 ヒートショックは、症状の程度によって対処方法が大きく異なります。ここでは、軽度の場合と重度の場合を簡潔にまとめました。 ■軽度の場合(立ちくらみ・めまい・のぼせなど) ・座る or 横になる(転倒防止) ・深呼吸して落ち着く ・体をゆっくり温める(急加熱はNG) ・常温の水を少しずつ飲む ・5〜15分安静にする 症状が続けば 入浴を中止し、医療機関へ ■重度の場合(意識がない・反応がない・呼吸異常など) ・すぐに119番通報 ・本人を無理に動かさず、安全な姿勢を確保 ・意識と呼吸を確認 ・呼吸がなければ 心肺蘇生(胸骨圧迫)を開始 ・呼吸がある場合は 横向きに寝かせて保温 ・救急隊到着まで継続して見守る 住まいの寒さが気になる方は、無料の断熱調査を 「うちの家も、もしかして寒すぎるのでは…?」 「リビングは暖かいのに、脱衣所が毎年ツラい」 そんな風に感じたことがある方は、まず“今の住まいの断熱状況”を知ることから始めてみませんか? 私たちテオリアランバーテックでは、断熱材「セルロースファイバー」を使った非破壊の断熱リフォームや、内窓設置を行っています。もちろん、断熱調査も無料で実施しています。 \ 長野県にお住まいの方 / お家の断熱調査(無料)はプロにお任せ下さい!床下や天井の断熱の状態を確認・報告し、暖かいお家にするためのご提案をさせていただきます。その他、補助金を活用した断熱リフォームなど、お気軽にテオリアランバーテックにご相談ください。 執筆者 Ikeda 寒さは苦手な夏生まれ女子。断熱・シロアリ・エクステリアを勉強中。 自身も新築の際には、断熱性・防音性などに惚れ込み、断熱材「セルロースファイバー」を選択しました。 ふわふわかわいい「セルロースファイバー」の情報、寒い住宅の原因や対策などなど・・・体もお財布も温める情報を発信していきます!