古い家の断熱リフォームを検討。現在の自宅の断熱性能を確認しよう。 公開日:2022年10月24日/更新日:2024年6月8日 この記事では 古い家の断熱リフォームを検討する時に必要な『現在の自宅の断熱性能』を知るための断熱性能の歴史と遍歴についてご紹介したいと思います。 家が古く冬の寒さや夏の暑さが気になる方、中古物件を購入した方・購入を検討している方もぜひ、ご参考ください。 目次 Toggle 古い住宅の断熱がどうなっているのかを知ることが重要住宅の断熱性能知るために断熱の歴史【昭和55年基準(1980年)】昭和55年制定時の基準【平成4年基準(1992年)】【平成11年基準(1999年)】まとめ最後に 古い住宅の断熱がどうなっているのかを知ることが重要 住宅の断熱性能知るために まずはじめに確認するのが、いま自宅の性能がどうなっているのか、確認することが必要です。 自宅の断熱について、家を建てたときに説明があったような気がするけれど 正直、よく覚えていないということもありますよね。 建てた年代によってはそもそも断熱はしていないということもあります。 そんな時はうろ覚えでも、気になっている点を書き出してみましょう。 メモの例↓↓ 【家の断熱】 ・築何年経過しているか ・家全体に断熱材が入っているのはわからない ・断熱材が入っているはずなのに、家の中の冷暖房効率が悪いと感じる など このように問題点や現在の状態を書き出すことで、今の自宅の不足や困っている点が見えるようになり、何をどう改善したら良いのかが明確になります。 断熱の歴史 そして現状を書き出したところで、ポイントになってくるのが築年数です。 ご存知の通り、住宅は建築する年ごと、法律で決められた基準に基づき建築されてます。 ですが断熱に関しては40年ほど前には特に義務化はされておらず、努力事項として基準を告示していました。 さらにこの告示は数回改定が行われています。 努力事項は法律上絶対に守らなければいけない基準ではないので ・完成を急ぐため ・費用を抑えるため ・会社の利益を優先するため ・断熱は必要ないと考えているため など様々な理由で断熱をしていないということがあり得てしまいます… 実際に弊社でリフォームされるお客様の中にも、断熱がされていない住宅が数多くありました。 電気やガス、灯油などが安く購入できた時代ではあまり気にならなかったかもしれませんが、近年の原料値上げに伴い高騰した光熱費を考えると、『断熱性が低く冷暖房の効率が悪い』ということは家計にも響いてきますね… それでは、さっそく年代と断熱の歴史を解説していきます。 【昭和55年基準(1980年)】 今から40年以上前になります。 昭和55年というと日本の自動車生産台数が世界一となったり、モスクワオリンピックが開催された年ですが 冷戦下でしたので日本をはじめとした西側諸国がボイコットしソ連に対し抗議をしました。 そんななか、住宅業界には『住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断の基準』という告示により住宅断熱を推奨がスタートしました。 昭和55年制定時の基準 グラスウール断熱材使用の時 ・天井断熱 40mm ・外壁断熱 30mm 「旧省エネルギー仕様」と呼ばれています。 そしてグラスウールは長年住宅業界で使用されているガラス繊維の断熱材です。 断熱材には種類が複数あります。 断熱材について知りたい場合は↓こちらの記事をご参考にしてください。 【断熱材の比較】8種類の断熱材を比較!ポイント 性能・価格だけじゃない! 【平成4年基準(1992年)】 昭和55年から12年後の平成4年。 『住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断の基準』に情報が更新されます。 グラスウール断熱材使用の時 ・天井断熱 55mm ・外壁断熱 40mm 平成4年に制定されたこの基準は「新省エネルギー仕様」と呼ばれています。 【平成11年基準(1999年)】 さらに7年後の平成11年。 グラスウール断熱材使用の時 ・天井断熱 180mm ・外壁断熱 100mm 平成11年に制定されたこの基準は「次世代省エネルギー仕様」と呼ばれています。 平成11年に制定されたこの基準、昭和55年の旧省エネルギー仕様と比べると、グラスウールの厚みが大きく変化していますね。断熱というのは、空気の層がポイントになってきます。 なぜなら暖かい空気が、空気の層にたまることで熱を逃がしにくくしてくれるのです。 厚みがでたらその分、空気の層が厚くなるので、暖かい空気を逃がしにくくしてくれます。 ここからは平成11年以降の改訂と追加された基準についてです。 ※説明が多くなってしまうので、日射遮蔽性、一次エネルギー消費量については別のコラムでご紹介します。 断熱性の通達年度と基準 ちなみに現在2022年、基準となっているのが 平成28年に改訂された基準が最低基準として義務化に向けて進めている状況です。 しかし国土交通省は断熱性能の義務化をしたいが、住宅業界での対応が間に合わず義務化できていないのが現状です。 義務化に向けて、現在の新築住宅のほとんどは平成28年度基準以上の断熱施工が行われています。 まとめ ここまでを一度振り返り、築年数と基準値について考えましょう。 まず、昭和55年より以前に建てられた建物には、 特に断熱に関する基準はなく、リノベーションや断熱リフォームされていない限りは無断熱と言えるでしょう。 昭和55年から平成3年の間に建てた家(築31年〜42年) 平成4年から平成10年の間に建てた家(築24年〜30年) 努力事項である「旧省エネルギー仕様」「新省エネルギー仕様」の基準のため、断熱材は入っていたとしても、 断熱材の厚みが足りず低断熱状態の可能性があり、十分な効果を得られない状態と考えられます。冷暖房効率が悪い原因の一つかもしれません。 断熱リフォームは費用が気になるところ…。 こちらの記事では、どこから断熱をすると効率的か、比較をまとめています。 効果的な断熱で冬の暖房代節約したい。窓・断熱リフォームの価格と性能を比較。 そして住宅というのは本当に過酷な条件のなか、建てられますよね。 日本の四季は断熱先進国であるヨーロッパと比べて湿度が高いなどの差があります。 季節の移り変わりは、春は春一番など風が強く、三寒四温といった言葉のとおり寒い日と暖かい日を繰り返します。 そして梅雨時期は連日雨が降り、ジメジメしていますね。 夏は紫外線、暑さそして湿気が高い、海外の方が驚かれる点の一つです。 そして夏から秋にかけて台風が多く発生します。 冬は、寒さが厳しく風が吹き、乾燥そして雪が降ると屋根に積もりかなりの重さになります。 よってそんな厳しい条件の中、何十年も住み続けるためには、点検が不可欠です。 最後に 日本は断熱材の入っていない住宅(無断熱)または薄い断熱材しか入っていない(低断熱)が数多く存在しています。 また、そのなかで長野県もおよそ70%が無断熱・低断熱に該当すると言われています。 実際、私の祖父母の家も、冬はストーブを消すとすぐに息が白くなるくらい寒くなってしまうため、居間・廊下・台所に一台ずつ灯油ストーブがありフル稼働させています。夏はエアコンを付けていても暑い、なかなか冷えない、効き目を感じないということが日常です…。 日本の住宅は海外の住宅に比べ、余計なエネルギーコストが掛かる上に、ヒートショックやアレルギー・喘息の発症リスクが高く、快適性も著しく劣る性能と言われ改善が必要と評価されています。(COP21のパリ協定にて) つまり、電気代や灯油代が掛かりすぎている上に、健康にも悪いということです。 ぜひ改善して、低エネルギー・低コストな住宅にしたいですね。 古い家で無断熱・低断熱の状態だったとしても、断熱リフォームによって十分断熱効果を得ることが可能です。 テオリアランバーテックでは、セルロースファイバーという断熱材を使用し、施工をおこなっています。 こちらの動画はフォーム断熱を行なった事例になります。 天井リフォームの施工 床下断熱の施工 現在の断熱の状態が気になる場合や調査を希望する場合にはプロによる調査を受けることもできます。 調査・見積は無料ですので一度検討してみるのも良いかもしれません。